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理解しまして。 ページ12

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「漸く分かった」


「は?」


「この入寮テスト、絵心さんの求める人材が…!」





何故実力の有る者だけを残さないのか。実力のある者の中には時として"自分は実力者だ"という事実に酔いしれ、堕落していく人間が居る。そんな人間は蹴落とさなければいけない


既に堕落した人間を蹴落とす、第1ステージはこのテストだ。ただしそれはあくまでオマケ。



本来の目的は、絵心さんの話していたような"エゴ"を持つ人間を露わにして見せつける為だ。「エゴイストとはこういう人間だ」と。「こういう人間にならないと、お前が蹴落とされる」と。生き残った喜びと、それを感じた事による得体の知れない恐怖と、ソレを同時に感じさせる事。




そうだとすれば______きっと次に絵心さんがやる事は、






「という事だから糸師くん。君にはボールが渡せない」


「……なら力づくで奪って、お前を蹴落としてやる」


「出来るものならどうぞ?」





糸師くんにバカ正直にボールを渡してしまえば、タイムアップ直前に当てられて即ゲームオーバー、脱落して奈落の底に真っ逆さま。そんな事が分かっているのだから態々渡す必要は無いだろう



正面から向かってくる糸師くんを目に入れて、取り敢えず私は糸師くんの真後ろにボールを蹴った。生憎素早さには自信があるので糸師くんが振り返ると同時に動き出してマイボールをキープ





「チッ、小賢しい奴……。めんどくせぇ」


「めんどくさいは褒め言葉だよ。ありがとう」


「そのヘラヘラした笑顔がキメェ」





ずっとリフティングをしているボールを目で追いつつ私に暴言を吐く糸師くん。君はどこまでもお兄さんにソックリじゃないか。ここまで来ると面白いね



さて、そして私も馬鹿じゃない。時間を見ないほど視野が狭くは無いからね。残りは45秒。最悪でも10秒前にはマイボールとしてキープしていないとキツい。糸師くんは相当な実力者と見た。そう簡単には奪わせてくれないだろう




仮にボールを奪われたとして、それが許されるのは最低15秒辺り。10秒近くで奪われたらほぼ脱落確定と言っても過言では無い






「考えてる暇、あんのかよ」


「あ"ッ、やば」


「油断大敵。ぜってぇ脱落させてやる」


「させないって……ばッ!!」


「!」






糸師くんが私から奪ったボールを、1度軽く上にあげた瞬間に隙をついて奪おうとしたけど……



簡単には奪わせてくれないみたいだ










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決着がつきまして。→←考えまして。



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作者名:ひかり | 作者ホームページ:無い。  
作成日時:2023年10月17日 8時

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