青い監獄に行く事になりまして。 ページ1
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「え、300人?本気?」
「……ま、マジです…」
冷や汗をダラダラにかいて私の前で正座する父の妹、帝襟アンリさん。幼い頃からよく遊んでもらっていたので私はアンリさんにとても懐いている。
故に、こんなに私に頭を下げるアンリさんを私は初めて見た
「……えっと、私は別に構わないんだけど…。その、サッカーとか授業でやったきりだよ?」
「絵心さんに相談してみたの!前に1回、Aくんにサッカーやってもらったのを私が映像に撮ったでしょ!?」
確かにそんな事あったな…。確か、誰かに見せるから許可をくれって言われて。それで小さい頃に幼馴染と遊ぶ時に使っていたサッカーボールを引っ張り出してきて……
何すれば良いのか分からなくて、アンリさんに助けを求めたら「なんでも良いよ!!」とサムズアップされて余計に困った記憶がある。何したっけあの時…。確かシュートまでの一連の流れをやって…。あれ?あの時アンリさん、映像撮れてなかったんじゃ…
「その時に見たAくんのプレー、私の頭からずっっっと離れないの!!!」
「は、はぁ……」
「で、撮れてた1部のプレーを絵心さんに見せたの!!」
というか絵心さんって誰だっけ。アンリさんが今やろうとしてるプロジェクトを一緒にやってる人?男の人なのかなぁ、アンリさん大丈夫かな…
アンリさん曰く、「上手くなりそう子だね」との評価を頂いたらしい。遠回しに下手くそと言われているのだけど。まぁ伸び代があると言われていると捉えれば、ね。そもそもサッカーは本業では無いし
「えっと、つまり。絵心さんとやらにその評価を頂いたから、さっきの青い監獄プロジェクトに参加して欲しいってお願いに繋がったわけね」
「理解が早くて助かるよ!!」
「さっきも言った通り、別に私は構わないけど…。そのプロジェクト内容を教えてもらえない?」
「それはまだ出しちゃいけない機密事項で……」
……まぁ取り敢えずサッカー関連のプロジェクトなのは分かった。300人も呼ぶって事は相当大きな企画だな。その人数を惹かなきゃいけない、魅力的な企画。…国内には留まらないだろうな、国外?世界的な活躍?
……W杯…。世界リーグだ、確か。そこで活躍する選手の育成を目的にした企画なのかな。それとももっと大きな……
「アンリさん」
「ん?」
「……1番ってカッコイイですよね」
「!……分かる、憧れるよね」
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