〜街の守り人〜 ページ10
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「あのッ、!!!」
「?」
次の日、街を歩いていると後ろから力強く腕を掴まれて引き止められた。何やら小さな女の子だけど…
「…どうかした?お嬢ちゃん」
「あ、あっちで、ふーりんの人が殴られちゃってるの、!」
「……風鈴生が?…分かった、あっちの方だね」
「うん、…ッ、ぐすっ」
「教えてくれてありがとう。危ないからこのお姉さんと一緒に此処で待っててね。すぐ戻ってくるから」
泣き出してしまった女の子の頭を撫でて抱き上げ、近くにいた八百屋の奥さんに引き渡す。「暫くお願いします」とだけ伝えれば力強く頷いてくれた
…女の子も怖かっただろうによく伝えてくれた。僕ならなんとかしてくれる、その一心で僕の所まで走って来たのだろう。それならば女の子の期待に存分に応えなければいけない。
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「人を傷付ける者!物を壊す者!悪意を持ち込む者!!何人も例外無く、ボウフウリンが粛清するっす!!!」
僕が到着したのは、風鈴のブレザーを羽織った男の子が大人の男にしがみついている時だった
風鈴の生徒と見られる男の子は既にボロボロ……既に何回か殴られたか、蹴られたかしたらしい。酷いなぁ、一方的に大人数でそんな事するなんて
「ボウフウリンでは無いけれど……失礼するよ」
そう言って男から風鈴生を剥がして肩に担ぐ。そのまま呆けている男の腹に一発お見舞いしてあげた
「女の人をナンパから助けたんだってね。風鈴生に恥じない素晴らしい行為だ。僕は評価するよ。あとは任せて」
「……!鬼灯…A……!!」
「あはは、知られてたんだ。嬉しいな」
少し離れた所へ担いでいた男の子を下ろせば、彼は僕の事を知っていたようだった。そういえば、改めて真正面から顔を見てみればよく握手を求めてくる楡井くんだった
どうりで見覚えのある後ろ姿だと思ったんだよね
「さ、やられてたのが楡井くんだと分かった所で……」
「エッ(鬼灯さんに知られてた…!?)」
「仕返しと行こうか」
〜数秒後〜
「早い……!」
「まぁこんなものだね」
「お前昨日の…!!」
「おや…狂犬くんじゃないか。少々到着が遅かった様だね」
「……止めようとしたらお前が先に止めたから入る隙が無かっただけだ」
目の前にいた5人を伸せば、どうやらそちらに流れた1人を撃退してくれたらしい狂犬くん。楡井くんの表情からして守られた、って所かな
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しらくも(プロフ) - すごく好きです…。 (4月24日 3時) (レス) @page21 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 星林檎さん» コメント有難うございます😊拙い文章なりに読みやすくなる様に頑張ってるのでそう言って頂けて嬉しいです!!鬼灯くんとすおちゃんの関係をこれからどうしていこうか考えてます😆😆 (7月26日 8時) (レス) @page19 id: b54df6e94e (このIDを非表示/違反報告)
星林檎 - わああああ!!ウィンブレの男主だぁーーーー!!!文章が上手くて読みやすいです!鬼灯くん、すおーくんとは相性悪そうですね…。これからどうなるのか、続きを楽しみに待ってます!! (7月26日 0時) (レス) @page19 id: f74057ae4d (このIDを非表示/違反報告)
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