𓂃◌𓈒𓐍 ページ11
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「…ありがとう、ございました…」
狂犬くんが自分に向かってくると、途端に狂犬くんへ礼をする楡井くん。さては直前に何かあったな?楡井くんは喧嘩とかするタイプじゃないけど、無意識に人を怒らせる所があるし……
大方、狂犬くんの地雷を踏む行動か言動かしてしまったんだろう
「ガッカリしたっすよね……。こんなヤツがボウフウリンに…風鈴に居た…なんて……」
「カン違いすんな…別に助けた訳じゃねーし…」
うーん、これは僕が聞いていい会話なのかな?ちょっと気まずいというか……。退散した方が良いのかな。でも…狂犬くんも心配だし、何より楡井くんの手当がまだだ
……まぁ少し聞いてるだけなら支障は出ないだろうし、彼らとも気まずくはならないだろう
「見掛け倒しはどこにでもいる」
そんな狂犬くんの言葉に思わず僕は深く頷く
楡井くんからは死角だろうから見られてる心配は無いから大丈夫だね。それよりも狂犬くんの言葉にビクッとなった楡井くんがとても気になる……。確かにいつもより服装が派手なような…?
「どんな理由で風鈴に来たかは知らねーけど、自分の力量は分かっておけ…。」
「……オレ、小さい頃から毎日毎日パシられて、殴られて…言いなりになるしか無かった…。そんなオレを助けてくれたのが風鈴の人だったんす…」
ポツリポツリと言葉を零す楡井くんをジッと見つめる
「普通なら絶対怖いとしか思わないような人がカッコよかった」
「楡井くん……」
「オレもあぁなりたいって……、強くてカッコよくなりたいって風鈴に来たっすけど…全然、ダセェなぁ……」
ポロポロと涙を流す楡井くんに狂犬くんは歩いていた足を止めた。……僕の出る幕じゃないかな、流石に。これは狂犬くんから言われなければ意味が無いのだろう
「……ケンカが弱ぇくせにめそめそしてんなよ。よけい弱く見えるぞ」
狂犬くんのその言葉に楡井くんはまた肩を揺らす
その姿に思わずクスッと笑ってしまった。そこまで身構えなくてもきっと大丈夫だ。狂犬くんなら此処で楡井くんを追い詰めるような事は言わないだろう
「でもまぁ……ダサくはねぇんじゃねぇの?」
「…!」
「あの!大丈夫でしたか!?」
「ぅえ、…あ、いや、あの…全然大丈夫っす、!」
「腕を掴まれた時、どうなるかと思ったけど貴方が居てくれて助かりました…。本当にありがとう…」
人を守れた事が立派だよ
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しらくも(プロフ) - すごく好きです…。 (4月24日 3時) (レス) @page21 id: 44a03850b3 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - 星林檎さん» コメント有難うございます😊拙い文章なりに読みやすくなる様に頑張ってるのでそう言って頂けて嬉しいです!!鬼灯くんとすおちゃんの関係をこれからどうしていこうか考えてます😆😆 (7月26日 8時) (レス) @page19 id: b54df6e94e (このIDを非表示/違反報告)
星林檎 - わああああ!!ウィンブレの男主だぁーーーー!!!文章が上手くて読みやすいです!鬼灯くん、すおーくんとは相性悪そうですね…。これからどうなるのか、続きを楽しみに待ってます!! (7月26日 0時) (レス) @page19 id: f74057ae4d (このIDを非表示/違反報告)
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