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「ねぇちょっと良い？」
授業終わり、そう声を掛ければニコニコと顔を上げる神崎。
「何？篠月さん」
「Aどこ？」
「Aさん？私は知らないけど……」
「嘘つかなくて良いから」
私の言葉に神崎は体を硬直させる。ほら、嘘じゃん。貫き通せない嘘なんてつくなよ。バレた時に恥ずかしいのはアンタだよ、と心の中で少しばかりのアドバイスを添えた。
隣の杉本は「なになに？」と体を乗り出して話を聞こうとしてくるけど「関係無いよ」と追い払う
「なんで私がAさんがどこに居るか知ってると思ったの？」
「授業開始間際に入ってきた。階段の方から歩いてきた。あんたのどこか満足気な表情。これだけで分かる」
「……鈍いと思ったけど意外と鋭いんだね？」
「入試1位舐めんな」
「あら、舐めてるつもりなんて無かったのだけど」
私を小馬鹿にしたように笑う神崎にイラついてしまうものの、此処でキレたら神崎の思うツボ。相手の罠には嵌らない事が大事だ。そう言い聞かせてなんとか抑える
「あ、そうそう。Aさんからの伝言があるの」
「何？」
「【今日は帰る】って」
「……へぇ。最初から言ってよ、それ」
「言うタイミングが無くて」
ごめんね？と小首を傾げて笑う神崎にはやはりイラついてしまう。これ以上コイツと話しているといつか怒りが爆発するので取り敢えず自席に戻った
隣の席の机の上に出された教科書とノートを見て、私は何を思ったのかAのバッグにそれらを詰めて保健室に小走りで向かった。道中葛葉先生とすれ違って、話したいと思ったけど今はこちらが優先。また後で話す時間ならある、と言い聞かせて取り敢えず急いだ
「先生」
「ん？えっと…」
「1-Cの篠月です。Aさん居ますか」
「あぁ。本人は今居ないから荷物はそこに置いて行ってあげて」
「居ない？どこに居るんですか」
「それは言えない」
「……そうですか。お願いします」
保健室のドアを静かに閉めて息をつく。保健室は1階にあって2階は3年のフロアだ。やはり1年のフロアとは違い、とても静かに感じる。時々上の方から大きな音が聞こえるけど1年生か2年生だろう
こんなに煩かったっけなぁ、と考えながら廊下を歩いた
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ひかり(プロフ) - すさん» コメント有難うございます！秀逸だなんてそんな……！！とても嬉しい褒め言葉有難うございます。こちらこそ素敵なお言葉嬉しいです！ (2023年2月3日 20時) (
レス) @page41 id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
す - 登場人物の出させ方が秀逸で、すごいなぁと思いながら読ませていただいています！素晴らしい作品をありがとうございます！！ (2023年2月3日 18時) (レス) @page41 id: 74727e307b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - ハルさん» リクエストして頂いた件について少しお聞きしたいのですが、そのお話には篠月ちゃんを登場させた方が良いでしょうか？また登場させる場合はkzh様を好きなままで登場させますか？お手隙の際にお返事お願い致します。遅くなり申し訳ありません🙇♂️ (2023年2月2日 21時) (レス) id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - ひなさん» コメント有難うございます！大好きと言っていただけて嬉しいです。更新なるべく早く出来る様に頑張ります☺️ (2023年2月2日 21時) (レス) id: 4a8f05344b (このIDを非表示/違反報告)
ひな(プロフ) - このお話大好きでいつも更新を心待ちにしてます！主さんのペースでこれからも頑張って下さい！！😊 (2023年2月2日 20時) (レス) id: 17feefa590 (このIDを非表示/違反報告)
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