あなたは誰？俺はイブ。 ページ1
花垣side
「……オマエ達、誰？」
俺の死に際の最悪な走馬灯。
全盛期であり、そして絶望も背負った中学時代の走馬灯を何故見せられているんだ。そして今俺の目の前に現れた男もそう。当時の俺はコイツの手を振り払って……
「俺はイブって言うんだけど」
「絶対嘘だろ……」
「アレ？アダムだろってツッコミ待ってたのに」
「…………」
手を振り払ったから立ち去ったコイツは、本来こんな感じでおちゃらけた奴だったんだ。……そんな事知った所で俺に何があるんだろ。早く終わんねーかな、この走馬灯
「怪我すげー！なんでそんな怪我してんの？喧嘩？」
「察してくれよ……」
「んー？知らねー。喧嘩でこんなボロくなる事あるん？」
「…もしかして最強キャラ的な？」
「チートと言え！俺はチートだ！」
「ちょっと待っとけ！」と言って走り出した男をよそに俺は4人を見た。上を向いて顔を見せないように腕で塞ぐマコト、俺らに背を向ける山岸、座り込んで俯くタクヤ、タクヤに近付いて背をさするアッくん。
過去のこととは言え、俺の発言が発端でこうなってしまった。結局「兵隊になった」という事実は変わらない。走馬灯までも、こうなるのかよ……
「ただいまー！！」
「はや…」
「そこの家のばっちゃんに救急箱借りてきた！オマエもそこの4人も手当してやっからこっち来ーい！！」
帰ってきた男の手には十字マークのついた救急箱が握られていて。ばかデカい声で呼ばれたモンだから4人とも男の存在にやっと気付いて「……アイツ誰だ」なんて話してる。
いや、分かる。その反応になるよな
「うっわー、ひっでー怪我。ホント何したんオメーら」
「……や、実は」
俺は男に手当をされながら大まかな事情を話した。勿論2017年……俺が死んだ話はしていない。4人も居るし、なんなら初対面の男にこんなオカルト話、頭を疑われても仕方なくなる。
俺の話を聞いて、目の前の男は目を大きく見開いた
「エッ、
「……え？」
「……いや、東卍にダチが居るんだけど。どーもソイツがそんな事する奴には見えねーんだよなぁ。面倒見良い奴だし」
東卍にダチ？この男、サラッとヤバいこと言ったぞ。俺の後ろでマコトと山岸が震えてんじゃねーか
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