ノートの異変 ページ6
.
「んー、知り合いってワケではないんよな…。聞いたことも無い名前やし、特に目につく理由に説明がつかんから別に気にせんでええかなって」
「…そういう、考え方もあるのか……、俺もそう思うことにする」
「うん、考えても分からんことは一旦放り出すんも大事やで」
なんだか同じ違和感を覚えていたことに少しだけ怖くなったが氷織くんが優しげに笑うから、そんな不安もどこかへ飛んで行った
……なんて可愛い顔をして笑うんだ、この男子高校生。
和やかな雰囲気に思わず口角が上がりかけた時、朝に聞いた覚えのある電子音が再び鳴った
「ぁ、?」
「ん?どうかした?」
「あ、いや…、なんでも、」
そう、街角でぶつかった女の上に【ヒロイン】という文字が現れた時と同じピコンッという電子音。今度は氷織くんの横に【攻略対象】、同時に頭上には数字が現れた。……?0.24?どういう事だ?
でも、ヒロインときて攻略対象と来れば俺も気付かない程の世間知らずではない。いわゆる乙女ゲーム、というのに酷似しているような、していないような
確か自分視点=ヒロインで、攻略対象と呼ばれるイケメン達の好感度をあげてハッピーエンドに持っていくゲーム。バッドエンドとやらもあるらしいけど。ハッピーエンドだけで良くないか?とは思った事があるが、バッドエンドがあるからこそハッピーエンドが嬉しいらしい。よく分からん
「僕の頭上ばっか見てどうしたん?ほんまに平気?」
「う、ん……、大丈夫、俺B組だから、また…」
「あ、B組なんや。ほぼお隣さんなんやね。じゃあまた」
案外すぐに別れたので俺は黒板に貼ってあった座席表を見て自分の席に座る。肩にかけていた鞄を机の上に下ろして肩を回す。軽くてもずっとかけてれば痛くなるんだよな
鞄の中からペンケースや本を取り出して、最後に例のノートを取り出す。
「……あ?この、世界について……、?」
朝まで表紙にも中にも殆ど何も書かれていなかったそのノートの表紙に文字が現れていた。【この世界について】なんて、そんな言葉本でしか目にした事が無い
文字が現れただけじゃない、妙に洒落た花柄が端の方を飾っていて今まで見てきたどこにでもありそうな青いノートの面影は殆ど無いと言っても過言ではなかった
.
361人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
胡蝶 恵@副×2垢(プロフ) - 閃いた (10月21日 20時) (レス) id: 70a431d9b6 (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - の〜さん(旧もこ)さん» コメント有難うございます!男主の愛され良いですよね、私も好きです!ブルロキャラも全員魅力的ですよね😍恋愛的な愛されですか……!トップページに書いたようにそのつもりは無かったんですが、もし希望者が多かったらその方針を取らせて頂きます👍 (10月19日 18時) (レス) id: b54df6e94e (このIDを非表示/違反報告)
の〜さん(旧もこ)(プロフ) - コメント失礼します。私男主の愛され大好物なのとブルロのキャラ全員推しなので嬉しいです!出来たら全員に恋愛的に愛されたいです。無理ならすみません。更新頑張ってください! (10月19日 17時) (レス) id: 79dfdf41ef (このIDを非表示/違反報告)
ひかり(プロフ) - rinngoさん» コメント有難うございます!やっぱり好感度の可視化っていいですよね!私も大好きなんです!有難うございます!! (10月14日 0時) (レス) @page10 id: b54df6e94e (このIDを非表示/違反報告)
rinngo(プロフ) - 好感度とかわかるのめっちゃ好きです!続きが楽しみです。 (10月13日 10時) (レス) @page9 id: 589479bc12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ