学校の問題児。 ページ1
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「お早うございます。ピアスは外してきましたか?」
「だるー、外してきたってば〜」
「それなら良かったです。引き続き宜しくお願いします」
「真面目チャンとかまぢめんど〜」
もう既に懐かしく感じられる、委員会に入りたての頃の事
新しい高校生活に胸を弾ませていた私の期待をバラバラに崩した先輩達の姿を、忘れる日は来ないと思っている。兄の母校という事で兄から聞いていた学校の様子とまるで違う様に非常に驚いた事を覚えている。
染髪が当たり前かのようなカラフルな頭髪、明らかに校則違反であるピアスの数、中庭に捨てられている購買で買ったと思われる菓子パンの袋。
そして何より女子生徒の過剰な化粧。何故そんなにも化粧に化粧を重ねているのだろうかと思ってしまう程には化粧が重ねられていた。1部の女子生徒ならまだしも、ほぼ大半の女子生徒がそうなのだからたまげる以外に無い
化粧が好きなのか?化粧をしないといけないのか?と当初は疑問に思い、校則を見直したが過度な化粧は禁止という内容の校則しか見当たらなかった。
まぁ、そんな疑問も直ぐに解消されたのだが。
「何度言ったら分かるんだ!!」
「へーへー」
「聞いているのか!?」
「聞いてマース」
「糸師……ッ」
日直の仕事の為に職員室を訪れた時に、3学年の主任の先生の怒鳴り声が聞こえた。周りの先生方は「またか」とでも言いたそうな顔でため息をついていた。
そんな空気に思わず「誰が怒られているんですか?」と担任に問えば「ウチの学校の問題児だよ」と返ってきた。
「問題児……」
「染髪、ピアス複数、制服の着崩し……他にもあるが、取り敢えず校則違反をしまくってる奴だ。因みに3年」
「……先輩、」
「そうだ。そういや糸師弟がクラスに居るよな 」
「……糸師…、糸師凛くんですか?」
「おう」
担任の話を聞きながら目を泳がせて糸師先輩とやらを探してみる。染髪という事は黒髪では無いと言う事だろうか
「……!」
「だーかーらー、ちっせぇ頃からコレだから今更変えると違和感しか無いんスよ」
「そんなもの知るか!!」
見つけた。
赤……というよりはワイン色…?に近い髪色をして前髪をあげている、制服を着崩した生徒。彼が、糸師冴……先輩。
私が彼を知った経緯は、こんなモノだった。
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美音 - 更新頑張れください (2月28日 8時) (レス) @page6 id: 6e3a47796c (このIDを非表示/違反報告)
号哭。 - 凄く面白いです!更新応援してます、無理なく頑張ってください!! (9月14日 21時) (レス) @page6 id: 07f289d1de (このIDを非表示/違反報告)
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