外の世界を知った私は剣士を愛しました

風邪 ページ16

『げほっ、』



ゾロさんが出ていった後、私は街を歩いていた

何度道行く人にぶつかり、その度に謝っただろうか

まぁ、みんな私のボロボロに泣いた顔を見てギョ、っとしているけど。






今頃ゾロさんはあの人とどこかへ行ったのかな


すごく仲良さげだったし、


私には知らない、ゾロさんがいる





すごく可愛い人だったし、

魅力的な人だもん、仕方ないよね









、









『頭、痛い…』



ずっとさっきからガンガン、と頭が痛み

咳も止まらない、

風邪、引いちゃったかもしれない、








呆然としながら歩いていると








ポツ、ポツ、と降り出してきた雨







『…。』




その雨音は次第に強くなっていく


それでも私はトボトボと歩く


道行く人は傘をさしたり走ったり、


チラリと私を見るけどすぐに通り過ぎる









『このまま、涙も流れてしまえばいい、


全部、洗い流して…。』







涙なのか、雨なのかそんなのはもうどうでもいい


ただただ濡れて、心を洗いたい


今は何も、考えたくない。









『ゾロさん…』







考えたくないのに、


何も、考えたくないのに、









『ゾロさんっ、…！』






なんでゾロさんばかり思い浮かべてしまうんだろうか



私はそこに座り込んだ






『…げほっ、ごほっごほっ！！！』




熱い、体が、あつい



グラグラとする地面



立ち上がろうとすればするほど気持ち悪い








『っ、…ゾロさ…。』





私は雨に打たれながらその場に倒れた









、









ザワザワと周りが集まる、



「大丈夫？？」


「この子あの、海賊の…」


「でも女の子だよ？」


「海軍を呼ぶ？？」







、








うっすらとした意識の中







急に私の体が浮いた









、









ゾロさんだ、ゾロさんが来てくれたんだ、







私はへにゃ、っとわらってまた目を閉じた。








『ゾロさん、やっぱり、来てくれた…んですね…』


「…」









、









私が意識を手放した後








「ちょっと、あんた、この子は海賊だよ？」


？「だからなんだ。」


「あ、あんたは…！！！」


？「こいつは貰ってくよ、」












、








、









「どうして、“元”海軍大将がここに！！！？？」









、









私を抱えてくれていたのは







元海軍大将、青キジだった。

青キジ→←間違え

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