◯２４◯翔 ページ24
◇
快「マジかよ…」
行き交う人の波に赤い浴衣はとてもよく目についた。
髪につけた白い花が近づいて来る度
陽炎みたいに眩しくて
人違いにすれ違う予感さえ簡単に打ち消すようにただぼんやりそれを見ていた。
噴水の細かい霧が露店の提灯に反射して
粉々に散ってはまた初めから繰り返し生まれる。
繰り返し
繰り返し
ザー・・・…
「…」
思わず呟いたこの世に居ないはずの彼女の名前が最大に吹き上げた噴水の水音に消されて流されて
そして消えた。
「翔くん…ですか？」
透き通った声がかろうじて耳に届く
翔「、…」
「Aです。…織姫の…」
翔「…、」
ぉ…ぉぃ、
快「翔、しっかりしろ」
「黄色のヒマワリ…翔くんですよね？」
翔「ぁ、これ、良かったら……」
「ありがとう。ミニヒマワリ…可愛いですね」
翔「、…」
快「すみません。こいつ今ちょっと頭がフリースしちゃったみたいで…、翔、ちょっとこっち来い」
翔「…、」
ｺｿｯ
快「お前…大丈夫か？」
翔「ぁぁ、ちょっと驚いただけで…」
快「だよな。
俺でも見間違うくらいだから気持ちは分かる。
確かにあれは似すぎている。
本人なんじゃないかって思うお前の気持ちも…」
翔「、…」
快「けどあれは汐音さんじゃないんだよ。
分かるか？」
シオネジャナイ…
快「別人としてちゃんと向き合わないとダメだ」
ベツジン…
快「ﾌﾟﾗﾝその１、
救いの無い相手だったらお前を連れて逃げる
ﾌﾟﾗﾝその２、
まあまあな相手だったら『後は何とかしろよ』と言いながらこっそり後ろから追跡する
それが俺の中のシュミレーションだったんだよ」
翔「…、」
ぉーぃ、
快「聞いてるか？
で、
どっちにも当てはまらない緊急事態に
かなり今テンパってる」
俺もだよ。
快「けど、俺の役目はここまでだ」
翔「ああ」
快「後は任せて大丈夫…なのか？」
翔「大丈夫だよ。ありがとう快」
快「分かった。今度電話しろよ？」
翔「ああ」
快の話を聞きながら、背中ごしの彼女から心が離せない。
この噴水の霧みたいに簡単に消えちまうんじゃないかって胸の奥がｷﾞｼｷﾞｼ傷んだ。
快「ほら、眉毛、上げて!」
翔「痛、」
。
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ラミア - 新月さん» もう感激ですよ！ 更新が待ち遠しい！！ 私が求めていたのはこれです！ (2014年9月3日 15時) (
レス) id: 8cf028f9b6 (このIDを非表示/違反報告)
新月(プロフ) - ラミアさん» ラミアさんこんばんは*^^*ものすごく面白いだなんて///ものすごく嬉しいです♪そう言って頂けると更新が進みそう(>_<)パー３まで更新していますので、またお話しましょう･.*｡ﾟお読み頂きありがとうございます♪ (2014年9月2日 21時) (レス) id: 5fae936ad0 (このIDを非表示/違反報告)
ラミア - 新月さん» ものすごく面白いです！ コメ友達お願いします！ (2014年9月2日 20時) (レス) id: 8cf028f9b6 (このIDを非表示/違反報告)
*。櫻宮ハル。*(プロフ) - 新月さん» 新月さん*+. つい何日か前にやっと更新出来た小説…hit数がぐんと増えて、読者さんがこんなにも居るのか、と驚かせられました.笑 もういっその事…問題集の問題が小説作り、ならいいのに…* なんて思ってしまいました.笑 (2014年8月9日 17時) (レス) id: 61ed3b0451 (このIDを非表示/違反報告)
新月(プロフ) - *。櫻宮ハル。*さん» *｡櫻宮ハル｡*ちゃーん(*ノ▽ノ)塾やお勉強に忙しい中、小説まで書いているなんてスゴいなぁ･･･書く事はどんな問題集よりハルちゃんを形作ってくれる物だと私は思っているよ。沢山の素敵な小説に出会ってハルちゃんの世界が広がりますように･･･ (2014年8月9日 13時) (レス) id: 5fae936ad0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：新月
| 作者ホームページ：ttp://http://uranai.nosv.org/u.php/novel/0527001/
作成日時：2014年7月8日 21時
