超人と凡人 刺客side ページ29
□刺客side
怖い
僕の感情は全てそれ一色に染まっていた。
まるで闇を具現化したかのような瞳。凍りつくような視線。威圧的で冷徹な眼が僕を見下している。
見なきゃ良かった
そう後悔する程彼女は恐ろしく、僕は咄嗟に顔を伏せた
『君さぁ』
突然の声に肩をびくつかせる。
早くこの恐怖から逃れたい。けど死にたくない。
一体何を言おうとしているんだ…
『"私"を殺したくてやったわけじゃないでしょ。大方、脅しってところかな。』
図星だった。
妹を人質に取られ、蘭Aを殺さなければ妹の命はないと、そう言われて……それで…
全てを見透しているような……いや、見透している瞳が再び僕を見下ろす
『助けてあげようか』
「え…」
助ける？貴方のような人が？
当然ながら、実行する今日まで、僕は彼女の情報を出来るだけかき集めていた。
道化師と呼ばれていること。彼女の殺害方法はどこまでも冷酷で残虐的なこと。まるで合理性の権化かのように行動していること。
どれも大した情報じゃない。彼女にはそもそも、重要な証拠を残す隙なんてものはないのだから、当たり前ではあったんだ。
けど、今の言葉が悪魔の囁きであることは容易に想像がつく。
でもなんで……
貴方くらいの人なら僕がそう想像する事くらい予想しているでしょう？
そんなくだらない事に僕の小さい脳を使っていたせいか、先刻とは比べものにならない程の闇が此方を向いている事に気づき損ねてしまった
『駄目だよ』
？なんのことだ…
伏せていた視線を彼女に向け直す
『駄目だよ、私の前で考え事をしちゃあ。』
「っあ…」
彼女の瞳が愉快そうに細められる
『君の思考、心情……全てが手に取るように分かるね』
あぁ…
僕は忘れていた
超人と凡人の溝は、どこまでも深いことを＿
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あざざめ(プロフ) - 紅さん» 紅さん！ありがとうございます！そう言ってもらえるとやる気がでてきますね笑笑 (9月17日 10時) (
レス) @page35 id: 6b5cfcbae8 (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (9月17日 1時) (レス) @page35 id: b3496c9ef0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あざざめ | 作成日時：2023年8月20日 14時
