小世未家の人々その二 (ページ12)

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奏くんは男の子で運動神経もよい

でも率先して行動を起こすことはなく

平和主義なのかな

あまり人と争うことしない

本を読むのが好きみたいで好きな物語は

何度でも暗記するくらい読んでいる

幼稚園の年長さんになるころには

ひらがなの本は一人でスイスイ読んでしまう

一人だけの時はわがままも言っていたけど

他の姉妹の子供たちや奏くん自身の

弟と妹が生まれてからはあまりわがままも言わなくなったし

大人しく本を読んでいる

手のかからない子になった

手のかからない分ちょっと心配になる

たまに言うわがままはあまり我慢させないようにしている

お菓子を配っていた時も奏くんは

小さい子を先にして奏くん

一番最後にまわるのでそれを見てから

私は配るのを止めてテーブルに用意してから

子供たちに声掛けしている

出なければ大きい子順とか小さい子順とか

にして声掛けするときもある

そうすると子供たちがいろんなことを

考えて行動してくれるから

悠くんが生まれたころ他の姉妹のところにも

子供が生まれたり祖母の着付け教室でも

出産で教室を辞めたりする人が多くなったことで

喫茶店の奥にある私の部屋を

託児所にする案が浮上してリフォームの業者

まで呼んだら決まったようなもので

あっと言う間に託児所工事が始まった

と同時に保育士さん募集してた

全くやることにそつがない

託児所が出来たことで祖母の着付け教室に

通って辞めた人も再び戻って来たり

姉妹の子供たちも託児所に預けられたりするので

私的には少しだけ自由に動けるようになった

私が託児所を手伝うようになって

ちょっと忙しそうにしていると

奏くんが弟の悠くんと妹の杏ちゃんの

面倒を率先して見てくれたりする

それだけでも助かるので

おやつの時に特別に季節の果物を

ご褒美にちょっとだけ多くしている