42話 お願い ページ44
私はまた、ポートマフィア本部に足を運んでいた。
使える情報網は駆使した方が善いと思ったからだ。それに、鉄仮面を叩く為にはポートマフィアの力も必要だ。
……否、鉄仮面を叩くには手段を厭わない。
使える戦力は使ってやる。
私はロビーの男性にまた銃を向けられて仕舞った。
「首領に……否、中原幹部に会わせて下さい」
「お前は何者だ」
「私は、太宰元幹部の補佐役であったAです。首領と……父と話がしたい」
何とか突破出来たので、私は昇降機に乗り最上階を目指す。最上階に着くと、扉を警護している人が居たので先程と同じように名乗る。ノックをして、扉を開けた。
そこには、水色のワンピィスを持って走り回る………認めたくないが、父と、金髪の少女だった。間違いなく、あの少女はエリスである。
私は久しぶりに見た光景に懐かしさと同時に緊張感が走った。
二人は私の方を見ている。
「あ……えぇと、その……」
やばい。
「あの、えっと……此前はごめんなさい。折角会えたのに、あんな突き放し方をして仕舞って。だけど、やっぱり私には__」
「戻って来て呉れたのだね、A」
鴎外がいった。
凄く善い台詞なのだけれど、持っている物が水色のワンピィスだなんて一寸…。
「……うん。あのね、今日はお願いが有って此処に__」
「貴女Aなの?見違えたわ!」
鴎外から逃げていたエリスがこちらに近づいて来ながらいった。
「エリー、四年ぶりだね」
「今まで何処に行って居たの?話し相手が居なくて困っていたのよ」
「うん、ごめんね。だけど、今度からはちょくちょく会いに来るから」
私はいった。
そして鴎外と向き直る。
「今日は、お願いが有って来たんだ。もう、知っているかもしれないけれど、四年前の奇襲を仕掛けた鉄仮面が、日本を爆破しようとしている。
私達、武装探偵社や公安警察は鉄仮面の拠点を暴こうと必死なのだけれど、拠点は直に暴かれる筈。そこで、お願いが有るの。
鉄仮面を叩く為に、ポートマフィアにも手伝って欲しい」
私は一気にいった。
鴎外は口元に笑みを浮かべていた。
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作者名:さくら志摩 | 作成日時:2018年8月9日 18時