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「 キッチンないなあ … 」
客間に降りたはいいものの 、キッチンが分からない 。
ご主人様は昼間だから寝ているだろうし 、どうしようもなくてため息をつくと どこからかニャー と猫のような鳴き声がして 辺りを見回す 。
物陰から黒猫がちょろちょろと歩いてきて 、わたしの足元に擦り寄った 。
「 わ 、猫も飼ってたんだ … ! かわいい …… 」
頭を撫でてやると 気持ちよさそうに喉を鳴らす黒猫 。
「 ねえ君 、もしかしてキッチンの場所を知らない ? 」
なんて冗談で話しかけてみると 、黒猫はにゃあお と声をあげて わたしの足元から離れて歩き始めた 。
客間から2つ隣の部屋の前まで猫は歩いて 、そこですとんと伏せをするように座り込んだ 。
そこまで行って扉を開くと 、そこはキッチンで わあ、と驚いてしまった 。
「 すごい 、猫が道案内できるなんて 」
賢いねえ 、と猫の頭や顎の当たりを撫でてやると 猫はゴロゴロと喉を鳴らして 気持ちよさそうに目を細めた 。
キッチンの中に入って戸棚や冷蔵庫を覗くと 、意外にも新鮮な食料がたくさん入っており 、ちょっとした焼き菓子や甘いチョコレート 、瓶に入ってよく冷えたジュースも入っていた 。
「 … まだ買いたてのものばっかり 」
ご主人様はどのようにして食料を調達していたのだろうか 。
というか そもそも食事をするのかどうかもよく分からない 。
食器棚の中には大小たくさんのお皿やカトラリー類が入っているし 、大勢で住んでいたのかな … ?
ご主人様の暮らしについて知らないことが多すぎたけれど 、空腹に勝てなかったわたしはパンを焼いて 簡単なスープとオムレツを作ることにした 。
ついでにさっきの猫に餌でもあげようと廊下に戻ってみたが 、既にそこには黒猫の姿はなかった 。
気まぐれだなあ … あとで猫ちゃんの名前も聞いておかないと 、と心の中で考えるのであった 。
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べる子ちゃんさん(プロフ) - momoさん» いつもありがとうございます ㅠㅠ しばらく毎日載せることはないですが たくさん読み返していただけると嬉しいです ! (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
べる子ちゃんさん(プロフ) - elmoさん» いつもコメントしていただいてありがとうございます ! 読んでいただけて嬉しかったです ㅠㅠ (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
べる子ちゃんさん(プロフ) - アルムさん» 初めまして ! 拙いお話ばかりですが 読んでいただいて 、感想もいただけて嬉しいです ㅠㅠ (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当にこのお話大好きです💗💗べる子ニムのお話どれも素敵です!!!毎日占ツク開いてべる子さんの通知が来てたら幸せです!! (2022年10月10日 22時) (レス) @page34 id: 6f106146ee (このIDを非表示/違反報告)
elmo(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました😍 (2022年10月10日 21時) (レス) id: 37bbaba9df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べる子ちゃんさん | 作成日時:2022年9月16日 17時