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28. ページ28

その日 、妙な夢を見て目が覚めた 。




体を起こしてぼんやりと目を擦っていると 、確かに彼女が僕を呼ぶ声がした 。




下の階に降りて 、彼女の部屋をノックするも返事がなく ゆっくりとドアを開くと 、ベッドの上で彼女が倒れるようにしているのが見えた 。




近くによって抱き起こすと 、顔は真っ赤で 体も熱く 熱があることは確かだった 。




彼女を看病しながら 、母が昔作ってくれたお粥の作り方を思い出しながらキッチンに立った 。



母がいつもそうしてくれていたように 、



『 … 早く元気になーれ 、』




おまじないつきのお粥だと 母はよく言っていた 。



彼女にも同じように 、そうしてあげたいと思って 初めて人のために 、Aのためだけにお粥を作った 。






幸いにも薬を飲んで よく眠った彼女の体調はすぐに良くなった 。




それに安堵したからか 、僕は彼女に 僕の昔の話をした 。



両親の話も 、吸血鬼の本に書かれていたあの約束の話も 全て打ち明けた 。





そうすると彼女は 僕の隣に座って 、僕の名前を呼んだ 。



「 わたしは … あの本が全て正しいとは思っていません … 。わたしとご主人様は確かに種は違いますけれど 、それでも … わたしはご主人様と差があるとは思っていませんから …… っ 」



そう言ってくれた彼女のことを 心の底から信頼できる関係になりたいとそう思った 。





父が母にそうしたように 、僕も彼女を守りたい ____





涙を溢す彼女の肩を抱きながら 、そんなことをぼんやりと考えていた 。



____________________________



__________________









「 … んん 、… っ 」





目が覚めると 、見慣れない天井が目の前に広がっていた 。




胸の辺りまで掛けられた布団 。 ご主人様の匂いがする 。



ここは あの日初めて入った ご主人様の部屋であることがぼんやりと記憶の中でヒットした 。




ゆっくりと体を起こすと 、服は濡れておらず 新しい服に取り替えられており 、足や腕にあった傷は全て薬草が宛てがわれて 手当てされた形跡があった 。




わたし 、…… そうだ 時計台で 、殺されそうになって …





曖昧だった記憶が少しづつよみがえってくる 。




そのときドアが開いて 、



『 …… Aっ 、? 』



わたしの顔を見るなり ご主人様が慌てて駆け寄ってきて 、そして ぎゅっと包み込むみたいにして抱きしめられた 。

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べる子ちゃんさん(プロフ) - momoさん» いつもありがとうございます ㅠㅠ しばらく毎日載せることはないですが たくさん読み返していただけると嬉しいです ! (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
べる子ちゃんさん(プロフ) - elmoさん» いつもコメントしていただいてありがとうございます ! 読んでいただけて嬉しかったです ㅠㅠ (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
べる子ちゃんさん(プロフ) - アルムさん» 初めまして ! 拙いお話ばかりですが 読んでいただいて 、感想もいただけて嬉しいです ㅠㅠ (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当にこのお話大好きです💗💗べる子ニムのお話どれも素敵です!!!毎日占ツク開いてべる子さんの通知が来てたら幸せです!! (2022年10月10日 22時) (レス) @page34 id: 6f106146ee (このIDを非表示/違反報告)
elmo(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました😍 (2022年10月10日 21時) (レス) id: 37bbaba9df (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:べる子ちゃんさん | 作成日時:2022年9月16日 17時

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