27. ページ27
彼女が僕の屋敷に来たとき 、同じように僕を怖がっていたし 、いつもと同じ結末を迎えるのだろうと思っていた 。
彼女がここに来た翌日 、キッチンで自らの食事を準備していたのをたまたま見かけて 入口から覗き込んだとき 、その横顔を見て胸の奥が締め付けられるような痛みに襲われた 。
真剣に手元を見やる彼女の姿に どうしてあんなに胸が痛かったのか 、今考えればそのときから既に彼女に惚れ込んで居たのかもしれない 。
たまらずAに話しかけると 、案の定驚かせてしまったものの 、僕は何故か自分の分も用意するように彼女にお願いして 、2人で初めて食事をとった 。
誰かと食事をするなんて 両親が生きていた頃以来だろうか 。
彼女の作った温かいご飯を食べて 、たったそれだけなのにすごく満たされた気持ちになって 、翌日からも同じように一緒に食べるようになった 。
ある日彼女が “ 最近ご主人様が近くに来るのが分かるようになった “ と言ってくれたことがあった 。
『 そうなのか ？ 』
「 はい 、今までは分からなくてよくびっくりしていたんですけど 」
『 …… 君と僕の仲が少し深まった証拠だろうな 、きっと 』
「 これってそういうことなんですか ？ だとしたらすごく嬉しいです ！ 」
満面の笑みでこちらを見てそう言う彼女が愛おしくて 、もっともっと彼女のことを知りたくなった 。
夕食のときに趣味を聞かれて 、誰かに直接ギターをきかせたりしたのも 自分でも正直驚いていた 。
というのも 、そんなふうに思う女性に出会ったのは初めてだったから 、今の自分のこういう気持ちや行動に慣れなくて 、むずがゆいような感覚がするのだ 。
そして 彼女が体調を崩して寝込んだ日 。
僕と彼女の関係性が一気に変わるキッカケになったのは 、この日だった 。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 139人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
べる子ちゃんさん(プロフ) - momoさん» いつもありがとうございます ㅠㅠ しばらく毎日載せることはないですが たくさん読み返していただけると嬉しいです ！ (2022年10月11日 7時) (
レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
べる子ちゃんさん(プロフ) - elmoさん» いつもコメントしていただいてありがとうございます ！ 読んでいただけて嬉しかったです ㅠㅠ (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
べる子ちゃんさん(プロフ) - アルムさん» 初めまして ！ 拙いお話ばかりですが 読んでいただいて 、感想もいただけて嬉しいです ㅠㅠ (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当にこのお話大好きです💗💗べる子ニムのお話どれも素敵です！！！毎日占ツク開いてべる子さんの通知が来てたら幸せです！！ (2022年10月10日 22時) (レス) @page34 id: 6f106146ee (このIDを非表示/違反報告)
elmo(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました😍 (2022年10月10日 21時) (レス) id: 37bbaba9df (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：べる子ちゃんさん | 作成日時：2022年9月16日 17時
