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何もかも終わってしまった とそう思った 。
ぽろぽろと頬を伝う涙は 悲しみと後悔とがぐちゃぐちゃになっていて 、
「 ボムギュさん 、ごめんなさい … わたしのせいで …… ごめんなさい … っ 」
声が枯れるまで ご主人様に謝っていた 。
本人にこの声が届くはずもないのに 。
必死で駆け下りてきたからか 足も手も 身体中が傷だらけで 、じいんと熱を持って痛くなってきたけれど どうすることもできない 。
それからどれくらい泣いていただろうか 。
気が付くと朝になって 、窓から陽の光が差してきている 。
部屋の壁を背もたれにして座り込んだまま 動けなくなってしまったわたしは 、ただぼんやりと床を見つめて昨日までのことを思い出していた 。
…… これで何もかも終わってしまった 。
終わらせるきっかけを作ってしまったのは自分自身なのだけれど 。
昨日の毒はきちんと解毒できたのだろうか ?
それともまだ ご主人様の体を蝕んで苦しめているのだろうか 。
何も分からない 。 でも引き返すこともできない 。
そのうち時間が経って 、窓から差し込んでいた陽の光はいつの間にか夜の闇へと変わっていた 。
そのとき 、家のドアが突然蹴破られるようにしてバタンと開いた 。
[ 居たぞ ! 捕まえろ ! ]
ランタンの光でわたしを照らしたのは 、わたしをお城に行くように仕向けた仮面の張り付いた大人たちだった 。
[ こっちへ来い 、どうして帰ってきたんだ ]
腕を強く掴んで引っ張りあげられて 、後ろ手でキツくロープで縛られてしまった 。
「 痛… っ 、離して … ! 」
[ 時計台で町の人間が集まっている 。お前を尋問して 殺してやるからな ]
わたし 、… どうなってしまうんだろう 。
絶望の淵に立たされたわたしは 、もうどうにでもなってしまえという気持ちでいた 。
力の強い男の人に両脇を抱えられて 、時計台の前に投げ出されるようにして体を地面に強く打ち付けた 。
「 っ … 痛い …… 」
手がつけないから思い切り腕や肩をびたんとぶつけてしまって 、そこが痛くて涙がまた零れた 。
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べる子ちゃんさん(プロフ) - momoさん» いつもありがとうございます ㅠㅠ しばらく毎日載せることはないですが たくさん読み返していただけると嬉しいです ! (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
べる子ちゃんさん(プロフ) - elmoさん» いつもコメントしていただいてありがとうございます ! 読んでいただけて嬉しかったです ㅠㅠ (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
べる子ちゃんさん(プロフ) - アルムさん» 初めまして ! 拙いお話ばかりですが 読んでいただいて 、感想もいただけて嬉しいです ㅠㅠ (2022年10月11日 7時) (レス) id: f6abf99b84 (このIDを非表示/違反報告)
momo(プロフ) - 本当にこのお話大好きです💗💗べる子ニムのお話どれも素敵です!!!毎日占ツク開いてべる子さんの通知が来てたら幸せです!! (2022年10月10日 22時) (レス) @page34 id: 6f106146ee (このIDを非表示/違反報告)
elmo(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございました😍 (2022年10月10日 21時) (レス) id: 37bbaba9df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:べる子ちゃんさん | 作成日時:2022年9月16日 17時