トリップ？えっマジ？ (ページ50)

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番外編ページ50

その胸糞悪い集団はさやかを囲むと同時にさやかを捉えた。

さやかはこれ以上問題を起こす気にもなれずそのままなすがままに捕まると床へとネジふさがれる

これまでトップの成績を誇っていたさやかをねじ伏せる事が出来て誰もがパッと顔を明るくした。

さやかはそんな様子にそっと目をつぶり静かに囁くように口を開いた

「で何？私これから次の試験に向かわないといけないんだけど」

そう冷たい視線を集団に向けると目の前にゆっくり現れたのは先ほどの滅多打ちにされていた少年だった。少年は静かに落ち着いたように口を開くと

「これからオレ達は脱走しようと思うんだが」

衝撃的、、、、とは思わなかったがそんな事を言い出す意外と言えば意外だった、、

ここに暮らす人達は脱走しないようにと教育を受けているためそんな事を思う人は1人もいなかった。

「へー頑張って」

無感情なさやかはそう返すしか何も思えなかった。

「お前は逃げたいと思わないのか？」

傷だらけの少年は私の前にしゃがみ込むと私の瞳を覗く

「逃げたい？思った事ないと思うわからない」

そう素直に答えると少年は顎に手をやり考え込む仕草をする

「じゃあさ一緒に逃げない？わからないなら取り敢えず逃げようよ」

そんな少年の言葉にみんなはぐっと眉をひそめ

「マジかよ！よりにもよってこいつと！」

そう口にする私よりも年上の人達は私を指差し否定する

「じゃあ私は」

「行かない」と言おうとした所で前の少年に手で口を塞がれてしまった。

「いいじゃねぇか成績優秀でトップレベルの奴が仲間になるんだぜ？」

そんな少年の言葉に首をかしげる

「仲間？」

そう質問するように口にすると

「おいおいそんな事も知らないの？」

と少年は苦笑いしながら口元にあった手をそっと退けた。

「オレ達と脱走するって言うならオレ達はお前を信じて共に行動するぜ！だって

仲間だしな！」

そんな言葉が私の胸に強く響いた気がする

「(信じるが仲間・・・)」

なぜだか胸の奥がポカポカと暖かくなった気がした
さゆりはその気持ちのまま

「そうじゃあ仲間に入れて」

その口にした、そんな意外な言葉に驚く人もいれば前にいる少年みたいにホッとした顔する人もいた。

この時私達の脱走計画が開始される。1人の裏切り者と共に