【銀魂】銀魂短編集

愛してるゲーム**坂田銀時 ページ2

順番はちゃんちゃんと進み、妙が近藤くんに言う時。
普段は言われる側の妙。どのように対応するのかと考えるが分からない。



｢近藤さん。ゴキブリよりかはまだ愛してると思われますよ｣



と言った。
なんか、近藤さん可哀想、と思いつつも近藤さんは嬉しかったのか涙を流していた。



そして、ふと考える。
私は好きな人に愛してると言わねばならない。そして、好きな人である銀時は神楽に愛してるという。
いくらゲームでも、嫉妬心は芽生える。これはゲームだと割り切ることは私には少しばかり難しい。



｢Aちゃん、愛してるよ｣


ザッキーこと山崎にそう言われ、ふと我に返る。


私は右を向き、ぼーっとしてる銀時を見つめる。


｢銀時。とてもあ、愛してるよ｣


それは、紛れもない本心だった。
ゲームではなく普通に伝えたかった。



｢はっ！？！？｣


銀時の声が部屋に響く。


そして、彼も我に返ったのか少し寂しそうな表情をした。ボソリと｢ゲームか。｣と呟いた。



｢A、聞こえなかった。もう1回｣


｢えっ｣



くそ、愛してるゲームに聞き直しても良いとかっていう変なルール作ったやつを呪いたい。



｢世界で一番愛してます。｣



銀時の手を握って、目を見つめる。

顔は、暑いだろうか。
心臓は、バクバクなってるが爆発しないだろうか。


これがゲームでもいい。伝えれるだけいい。



私は気を引き締めた。




｢あやめより銀時を愛してる！｣



と言ったところで私は命の危機を感じた。


はっと横を見るとあやめがこちらを睨み、恨めしそうにする。



｢A、銀さんのこと好きって噂は本当だったのね！私と対決よ！！｣


とか言い出すものだから、｢本当に決まってるでしょう！｣と答えた。





次の瞬間、私は抱きしめられていた。
硬い胸板。
甘い匂い。


顔は見れない。



｢A、愛してる。｣



ゲームでは、銀時は私ではなく神楽にする。


愛してるって言われた人に言ってもいいのか？ルールはあやふやなので分からない。

けど、私は数秒前銀時のことが好きだとこのメンバーの前で宣言したのだ。
恥ずかしいったらありゃしない。




力が緩んだので私は顔を上げる。



｢ゲームの偽りの言葉は必要ないよ。｣

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