part3 ページ4
桐生「この、成分は最近多重人格の治療薬として開発したもので、各人格を具現化出来てる画期的な薬だな、あと興味深いのは自己嫌悪を誘発する成分も含まれてるな」
映画「へー具現化」
桐生「一応、言っておくが具現化しても実体は持たないからな」
映画「そうなんですか、残念ですね」
何が残念なんだか分からないが話を続ける
桐生「ドッペルゲンガーは本物の自分になりたいが為に本物の自分を消してなり変わろうとする為本物を殺すんじゃないのか……いや、待て、なにか違｣
ダラっと椅子に腰を落としていた先生が背もたれから勢い良く起き上がっり口元を片手で隠しながら考えを巡らせている
桐生「それなら……別に殺さなくても乗っ取ればいい話しだ、自分の器になる物を壊す必要は無い」
映画「まるで自分の存在を消したい、自己否定的な行動ですね」
桐生「自己否定を具現化し目の前にいる自分を殺す」
映画「ですが、実体を得ないドッペルゲンガーがどうやって、殺しをするんです」
桐生「それはこの成分と左下にある成分を組み合わせれば実体を持たせるのは理論的には可能だが、実証例はない」
映画は首を傾げて疑問を私に問いかける
桐生「実証実験及び合成が法律で禁止されている、倫理感がどうとかでな」
映画「先生はこれを飲ませた相手の自己否定が具現化し実体を持ち、殺しに来ると」
桐生「仮説だよ、単なる」
映画「そうですね、ですがまるで、人類を選別しているようですね」
桐生は眉間に皺を寄せて映画を「はぁっ？｣と言って睨んだ
映画「そうじゃないですか、ドッペルゲンガーが現れない自己否定に勝利した強者ですよ」
桐生は「阿呆か」といちべすると、映画は「酷い」と言うような声と仕草をする
桐生「自己否定のないスーパーハイパーポジティブ野郎なんていねー、自覚してないだけだ異形も無形頭も」
映画「なら、アナタはどうですか？」
映画が真っ直ぐ桐生を見る映画のレンズに桐生の顔が映り込みむ
桐生「…………」
映画に心の中を見透かされてる様に思え、私は映画から目を逸らして言った
桐生「しかし、こんな厄介な案件を回される、アイツらが気の毒だな、アイツらの嫌そうな顔が目に浮かぶ」
頬ずえを着いて欠伸を噛み殺しながら言う
映画「大分、お疲れのご様子ですね」
桐生「あぁ、色々立て込んででな終わった所にお前が来て畳み掛けて来たってわけだ」
眼鏡を外し重そうな瞼をどうにか開けている
映画「では、私は失これで礼します」
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作者名：シノギ | 作成日時：2021年10月17日 19時
