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北 「ったく、平成最後の満月だってのに」
藤 「え!?最後なの?」
北 「そーーだよっ、だからわざわざ見てんだよ」
藤 「え〜それ早く言ってよ〜」
俺は携帯を片手にパタパタとベランダに行き、
ベランダ用のサンダルを履こうと足元を見ると、
その少し下がった頭にペシッと軽く叩かれた衝撃。
藤 「え?(笑)」
北 「頭、まだ濡れてんぞ」
藤 「うん、お風呂あがりだもん」
北 「乾かせよ、風邪引くぞ」
藤 「そんな長居しないから平気だよ」
北 「ふぅん、長居しないんだ」
そう言うとミツはクルッとまた体を外に向け、
夜空を見上げるように缶ビールを傾けた。
藤 「・・・(笑)、髪乾かしてくる」
北 「・・・いってらぁ〜」
俺の恋人は、実際も凄く可愛い。
あの寂しげに見える可愛い後ろ姿を見て、
髪を乾かしに行かない奴も、
ニヤけるのを抑えられる奴もきっといないと思う。
藤 「ふふふ♪」
俺はちゃっちゃと髪を乾かし、
温かい緑茶入りのタンブラーを用意し、
あとブランケットを手にベランダへ向かった。
藤 「お待たせ〜、ってあれ?上着いつの間に(笑)」
さっきまでは部屋着いっちょだったのに、
俺があれこれやってる間に上着を取りに行ったようだ。
北 「長居したら冷えた」
藤 「じゃあこれどうぞ」
北 「ん?」
タンブラーを渡すと、
ミツは中身が見えないそのフタを開け、
クンッと匂い嗅ぐとすぐにお茶と分かったようで、
火傷しないようにか恐る恐るとタンブラーを傾けた。
北 「あ“〜〜〜しみるぅ〜〜」
藤 「プハッ、おっさんか(笑)」
そんなおっさんの肩にブランケットをかけてあげ、
隣に並び空を見上げると、そこには立派な満月。
藤 「きれぇ〜」
北 「なぁ〜」
別に満月なんて珍しくない。
何十年に1度の特別な満月とかでもない。
でも俺達は暫く黙ってその姿に見惚れた。
それはきっと「満月に」ではなく、
「平成最後」って方に感慨深くなっていたんだと思う。
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朱蝶(プロフ) - Mameさん» Mameさん♪お返事大変遅くなり申し訳ありませんm(__)m5月から今ぐらいは本当に体調崩しやすい季節ですよね、Mameさんを含め皆さん大丈夫ですか?ご無理だけらなさらないでくださいね(´・ω・`)私のお話で少しでも癒されたらなら良かったです(*^^*) (2019年6月28日 18時) (レス) id: fea3ffa764 (このIDを非表示/違反報告)
Mame(プロフ) - GW入ってからずっと自分を含め家族の誰かが調子悪いのが続いてまして、今もなんですが、少し落ち着き、読みかけで止まってたこちらの作品、やっと今日読めました(^^)ここのとこほんとしんどかったので、二人のイチャイチャに久々にニヤニヤしながら癒されました(*^^*) (2019年6月9日 4時) (レス) id: 593bed3f62 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - はるさん» はるさん♪お返事遅くなり申し訳ありません!お話楽しんで頂けて良かったです(*^^*)すっかり更新も減ってしまいましたが、楽しんで頂きたいと頑張っておりますので、また更新した際には是非宜しくお願い致します(*^^*) (2019年5月29日 21時) (レス) id: fea3ffa764 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - お久しぶりです!やっぱり朱蝶さんの描くお話しが一番好きです☆これからも更新楽しみに待ってます♪ (2019年5月21日 11時) (レス) id: 26ea40f258 (このIDを非表示/違反報告)
朱蝶(プロフ) - ゆちゅ 。さん» ゆちゅ。さん♪お返事遅くなり申し訳ありません!コーンムーン!みつくんにピッタリですよね(笑)私も調べて見た時、思わず笑ってしまい、これはいれなきゃ!と思いました(笑)楽しんで頂けたのでしたら何よりです、こちらこそ有難うございます(*^^*) (2019年5月14日 19時) (レス) id: fea3ffa764 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朱蝶 | 作成日時:2019年5月1日 20時