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覚めたはずの顔の熱が、またぶわわと上がって、私は視線をうろうろと彷徨わせてしまった。
そんな私を、無邪気な顔で子供っぽく笑いながらゆっくり抱きしめて、グクは嬉しそうに揺らしてくる。
JK「俺、Aとしたいことたくさんあるんだよね。とりあえずセ ックスしたい。それからいっぱい話したい。あと、なんか痩せた?抱き心地ちょっと違うよ?Aはゲームする人?あ、別にしなくてもいいよ、教えたげるから一緒にやろう。あと、漫画好き?映画とか何系が好み?休みの日何してるの?アイドルと恋愛とか大丈夫?」
今抱き心地って言った?
確かにいろんな心労重なって、去年よりも痩せたけど、いつ確認したの?
サーチ能力すごすぎる。
て言うか、時間無いのに、めっちゃ堪能しようとしてくるじゃん。
私が話すの待ってくれないから、私頭の中でしか返事できてないけど。
あと、欲望丸出しで隠さないのね。
すごい、肉食系だったんだね。
…なんとなく、体で知ってた気がするけど。
JK「あーーー!なんでもう、会社なんだここ!もう、絶対!逃げないでよね!あ、ペン貸して」
そう言って私の胸ポケットから勝手に取って立ち上がると、私がそこらに散らばらせたリストの一枚を拾ってきて、目の前で端っこをちぎった。
ちょっと、それ、社内の書類ですよ?
JK「これ俺のカトク。すぐ入れて。返事即送るから」
ペンを返すついでに胸ポケットに切れ端を入れられた。
JK「絶対だから!ほんと!逃げるなよ!」
最後はキレ気味に念を押していって、私を何度も振り返りながら走り去って行った。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年12月10日 10時