地上の楽園 -さん- 【JK】 (ページ41)

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「今日も風邪？」

ふ、と鼻で笑いながら、問いかける。

まあ、風邪なんかじゃないのわかってんだけど。

『……あまり、近付かない方がいいですよ』

うつるから、と嘘を貫くことにしたらしいAが、じりじりと俺から距離を取ろうとしてる。

バレたらクビになるとでも思ってるのかな。

その誤解は早いとこ解いてあげたいけど、とりあえずAが認めてくれないことには、どんな話も何一つできやしない。

「ここにいたら、いるかなーと思ったら、いたね。俺すごい」

世間話をする感じで、とりあえず声をかけた。

内心じゃあ自分の話に、んなわけないじゃん、めちゃくちゃ張り込みして、ようやく掴んだチャンスだよって。

俺の粘り勝ちだよって、大声で訴えたい。

この機会を掴むのに、どんだけ頑張ったか。

視線だけで触ることができるんなら、
きっと俺はもうAの手と言わず、足と言わず、
捕めることができるところは全部捉えて、

腕の中に閉じ込めてたと思う。

早く触れたい。

抱きしめたい、

キスしたい。

脳の8割、それしか考えてない。

残り2割しか働いてなくても、人ってこんなに冷静に話せるんだから不思議だよね。