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この日は、ほんと神様が俺に微笑んでくれた日だった。
いつものように廊下をのぞいたら、Aがちょうどエレベーターに乗り込むところだった。
わあ!ほんとにいたよ!!!
レアだ!レアポケモンみたい!
って、一瞬目的を忘れてテンション上がってしまって、その一時停止が仇になって、エレベーターのドアは俺が手を伸ばすちょっとの差で閉まってしまった。
仕方ないから、回数表示で地下に行ったことを確認した後、またダッシュで階段を降りた。
何段飛ばして降りたかわからないけど、数分のとこ秒で降りれたと思う。
大道具の倉庫のドアを開ける時は、アドレナリンで指が震えた。
深呼吸を何回かして、息を整え、表情管理。
絶対に逃せないから、本気で。
本気で、
俺は今日ここで、
Aを捕まえる。
「アンニョンハセヨー」
『…アンニョンハセヨ…』
ああ、その、耳にこびりついてたしゃがれ声。
何が起こったの?て感じで振り返ったその顔。
ほんと。
ずっとずっと、
会いたかったよ。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年12月10日 10時