111 ページ17
ピンポーン、と日付が変わった頃に、インターホンの音が鳴った。
まだ寝ていなかったけど、私はもう布団には入っていた。
こんな時間に来る客なんて予定に無くて、不審すぎて怖い。
私は部屋の電気は消したまま、そろりとインターホンのモニターを確認しに行ったけど、そこには帽子を目深に被って、黒いマスクをした、黒ずくめの男性が一人。
…なんか、既視感がすごい。
誰だろうかと見つめていたら、手が、すっとマスクをおろして、
いたずらっ子みたいに、
にぃって笑った。
その顔を見て、私は本当に、ぴょんって飛び上がってしまった。
慌てて玄関のロックを外して開いたドアから、当たり前のように入ってきたのは、グクだった。
JK「アンニョーン」
『アンニョーン、じゃないって！なんで、危なくないの？こんなことして』
私は一瞬玄関の廊下に顔を出して、あたりをきょろきょろ見回してしまった。
普通のマンションだから、廊下の向こうは壁なんか無くて、夜景が広がっているだけだけど、こんな野ざらしの中に突っ立ってるなんて、神経を疑う。
ピリピリしてしまった私に、グクはめちゃくちゃ良い顔で親指を立てて、
JK「どっきりした？キュンした？」
なんてのどかなこと聞いてくるから、力が抜けた。
JK「そんなに心配しなくても、色々気をつけて送ってもらったし大丈夫だから、上がっても良い？」
『あ、うん、ごめん。どうぞ…』
JK「ありがとう。急にごめんね、さっき仕事終わって、真っ直ぐ来ちゃった」
来ちゃったって…いや、嬉しいけども。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 958人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：フネ55
| 作成日時：2022年12月10日 10時
