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セジンさんがおすすめしてくれたチキンソテーが美味しすぎたけど、話が気になってしょうがない。
『…それで、お話と言うのは…』
年下からそう切り出すのは本当に失礼だと思うんだけど、思い切って促すと、セジンさんは、うん、と一つ頷いた。
S「あー、まあ。そんな悪い話じゃないよ。あいつの方からも話があると思うけど、Aさんと、あいつの関係を事務所的にどうするかってこと、ちゃんと伝えておきたくて」
事務所的な話とか、一番聞きたかったことだったので、話が早くてセジンさんほんと、すごい。
S「Aさん、律儀に約束なんかしてくれたから、以前のトラブル、書面に残っちゃってるんだけど」
『…私も、気になってましたけど、前に問題ないっておっしゃってましたが…本当に?』
S「うん。大丈夫。あれ、僕しか見てなくて、もう破棄しちゃって、うちの事務所は恋愛禁止してないんだよね」
あ、そうなんだ。
『アイドルって、トイレにも行かないし恋愛もダメなのかと思ってました』
S「ああ、通説ではそうみたいだけど、まあ、事務所によるかな」
トイレは事務所関係ないじゃん、って笑ってしまうと、セジンさんも笑う。
その目がとても、なぜかすごく優しいから、私は妙に恥ずかしくなってきた。
『…なんだか、変な気分です。ほんと、その、昨日、ジョングクさんに告白されて』
S「うん。聞いた。良かったね」
『よか…良いんですか?』
S「慎重だね。良いんだよ。ほんと。逆にこっちの方が良いの?っって聞きたいくらいなんだよね。制限は沢山あって、面倒なことだらけだから」
不意に気付く。
セジンさんの眼差しの先にいるのはきっとグクだ。
この優しい目はグクを見ていて、グクが私と居ることが、良いことだって思ってくれてる。
じわじわと、顔に血が登ってきた。
S「何が言いたいか、わかった?」
セジンさんがぼかして言った言葉を、私は理解してしまったから…頬どころか首まで熱くなる。
公認だ。
なんてことだ。
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作者名:フネ55 | 作成日時:2022年12月10日 10時