【d!】オペレート開始【zm】 (ページ9)

今日:4 hit、昨日:0 hit、合計:77,711 hit

#8 ページ9

第一近接部隊訓練場第三室に到着し、ゾム第一近接部隊長を待つこと3分、訓練に必要な道具を持ってゾム第一近接部隊長は現れた

私の方に一瞬だけ目をやり、一般兵の元へと向かっていく
色々と初めてのことばかりなので、正直私は今浮き足立っていると思う

そして、この場にそぐわない人間だと思われているのをひしひしと肌で感じていた

一般兵からの容赦のない視線、アイツは誰だとヒソヒソと話す者や、わざわざ大きな声で出ていかないのかと話す者、静かに視線を寄越す者、様々な反応だ

まあしかし、彼等の反応も当たり前だろう
だって私はしがない情報管理部所属のオペレーター
私のことを知っている一般兵がいることの方が驚きである
特に気にせず隅の方へと移動し、メモ帳を開く

先程までのゾム第一近接部隊長の動きの特徴や、会話の中でどのような対応をしていたか、利き手は両手で、利き足は左、周りを見渡す時の癖など、事細かに書き連ねていく

実働するパートナーのことをここまで真剣に観察するのは私くらいだと、同僚には若干引かれたりしたが、これが私の性分だから仕方ない
それに、そこも含めて腕を買っていただいたんだ、妥協はしたくない

メモに没頭していると、ふとページに影がかかった
左腕に付けている時計をチラリと見て、あと数分で一般兵への指導が始まる時間だと確認した

なら、この人影は一般兵ではないだろう…
少し考えたあと、私は顔を上げ

『何か御用でしょうか、シャオロン第二近接部隊長』

そう、声を掛け立ち上がり敬礼した
すると、自分の名前を言い当てられるとは思わなかったのか、少し訝しげな顔をしたシャオロン第二近接部隊長の顔が目に入った