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「神様って、いると思いますか?」
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「…は?」
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「私は信じていませんけど、都合のいいことは好きなのでたまに神に祈ります。祈るときは「いて」、普段は神は「いない」んです、私の中で神様の存在ってそんなものなんですよ。そして祈ったことが実現すれば神は「いた」し、実現しなければ「いなかった」。」
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淡々と喋る私を彼は黙って見つめている。冷めきった目をする彼の中で神様はきっと「いなかった」んだろう。
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「都合のいい神様はどうでもいい祈りには応えてくれるのに、本気のお祈りをしたときには絶対に応えてくれないんですよ。例えばこのレポート、神に祈ったって終わるわけがないんです、私が努力して完成させなきゃ終わらない。みんなどこかで分かってるんです、自分が出来そうな事と出来ないこと」
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このレポートは私が出来そうだから努力を選んだ。これが超難関の問題だったとしたら私は迷わず適当に終わらせて神に祈る方を選んでいた筈だ。
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「努力は必ず報われる?笑っちゃいますよね、その言葉を作った人はきっと出来ると思ったことにしか挑戦したことがないんですよ。出来なかったら努力じゃなかっただなんて最大の逃げです。自分が頑張ったと思ったのならその時点で努力なんですから」
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作者名:めぐ | 作成日時:2018年6月21日 16時