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グラスが合わさる軽い音が鳴りそれを少し含むとライムの爽やかな酸味が口いっぱいに広がる。
「初めて飲むけど美味しいね」
「な、俺もこれは初めて飲んだ」
よっぽど気に入ったらしく一杯目をあっという間に飲み終えた。大学の頃からこの店に通っていたらしい廉はお酒のことに詳しいらしい。普段決まったものしか飲まない俺にも色々教えてくれて、俺たちは早々にできあがっていた。
廉がなにを言っても楽しいし、俺がどんなくだらないことを言っても笑ってくれる廉をみてうれしくなる。
「…今日がずっと続けばいいのになぁ」
彼が席を立っている時に思わず出てしまった言葉はあまりにも真っ直ぐと自分の耳に響いて、思わず笑い出しそうになった。
……あぁやっぱりなんだ。
きっとまた好きになってはいけない人を好きになってしまったらしい。いや、多分ずっと好きだった。思い出さないようにっていつも思ってた。なんで廉なんだろう？世の中にはそれこそこんな自分を好きだって言ってくれる人だっているのに。
「かいと？」
「あ！れんお帰り」
「…どうしたん？」
「え？どうもしてないよ」
そんな暗い顔でもしてたのかな？おれ。
心配そうな表情で俺の顔を覗き込む廉を見上げる。
「……あの子のこと考えてたん？」
あの子？はて。あの子とは？
急に出てきた第三者に頭の中はハテナでうめつくされる。
「あの、エマさんって人」
「エマ？」
予想もしてなかった人の名前にびっくりして思わず自分が思ってたより大きい声がでてしまった。
「なんかあの子といる時楽しそうにみえた」
そんなことを不貞腐れたような声で言うもんだから、ついつい大笑いしてしまう。廉は心底不満げな顔をして俺を睨んできた。どうやら完全に機嫌を損ねてしまったらしい。
う〜ん。こんな時はどうしたらいいかな〜
アルコールが回った脳内はうまく働いてはくれなくて、まぁいっか、どうにかなるよとお酒の力でお気楽になった思考が囁いてくる。グラスに半分以上残っていたお酒を飲み干してまだ睨んでいるその目をみた。
「れんのこと考えてただけだよ」
その言葉にポカンとした顔をしたのでまた笑ってしまった。
「今日が楽しいから、今日が終わらなけばいいのにって思ってた。それってれんのこと考えてたってことにならない？」
「…ずるいわ。そんなん」
「え？」
「なんも。今日は飲むで」
「うん」
やっぱり今日が終わらないでほしいな。
嬉しそうに笑う廉をみて本気でそう思った
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うえ - eyytさん初めまして、とっても素敵なお話しをありがとうございます。何度も読み返しています！過去作も大好きです！こちらのお話しの続きが読める日を楽しみにしています。お元気ならいいのですが… (3月30日 1時) (
レス) @page11 id: 9333317159 (このIDを非表示/違反報告)
eyyt(プロフ) - ことはさん» わー！何回も読み直していただいてるんですね、とても嬉しいです！励みになります。更新頑張ります！ (1月3日 10時) (レス) @page6 id: 3a39857c8f (このIDを非表示/違反報告)
ことは(プロフ) - お話待ってました！ありがとうございます。eyytさんの作品大好きで、何度も読み返しています。 (1月3日 9時) (レス) id: befd367002 (このIDを非表示/違反報告)
eyyt(プロフ) - ひさみんさん» いつもありがとうございます！待っていてくれてた方がいてうれしいです！更新頑張ります (1月3日 3時) (レス) id: 3a39857c8f (このIDを非表示/違反報告)
ひさみん(プロフ) - 新作嬉しいです！続き楽しみにしてます！ (1月3日 0時) (レス) @page3 id: b4b147eea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eyyt | 作成日時：2023年12月30日 19時
