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仕事が本格的にスタートした。うちの会社は所謂超ホワイト企業だ。フレックスタイム制、残業は一切ない。自分の時間は十分に確保できる。
あれから廉は毎週末うちにくるようになった。
廉の勤め先は激務らしく、平日は割と遅い時間まで会社にいるらしい。
「はぁ〜。どうしよ」
「どうしたの？なにか悩み事？」
盛大についたため息と独り言にそう尋ねてきたのは同僚のエマだった。
彼女は日本に来る前から一緒に働いている同期で、俺と同じ日本語が話せるという理由で日本に来ることになった一人だ。
「悩んでるのかな〜」
「そう見えたけど。なになに？ボーイフレンドのこと？」
「ちがっ、そんな人いないよ」
「カイトって本当に嘘が下手ね。私でよければ話し聞くわよ。久しぶりにご飯でもいかない？」
「…そうだね。一人で考えるだけ無駄な気がするし。家の近くに美味しいお店があるんだけど、そこに行かない？教えてもらったけどまだ一度しか行けてなくて」
「もちろん喜んで」
〜〜〜
「それで？そろそろ大きなため息の理由教えてよ」
お店についてからしばらくたわいもない話しをしていたが痺れを切らしたエマが空気を裂くようにそう言った。
「ん〜。エマはさ、今の彼女と付き合う前の彼女のこと気になったりしたことある？」
「ないと言ったら嘘になるわね。前の彼女と付き合ってた時はなかなか本音で話せなかったの。そのことを後悔したことはあるかな」
「後悔か。俺も後悔してるのかな。だからこんな気持ちになるのかな」
廉と向き合えなかったことを悔やんでるんだろうか。自分は変われたと思っていたけど、時々過去にタイムスリップしたような感覚になる。
もうあの時のようにはなれないはずなのに。
だって全部自分に都合の良いような夢を見ていただけだから。
「カイトはなんでそんなに自信がないのかしら？あなたってとっても魅力的よ。キュートだし。私がストレートなら猛アタックしてたに違いないわね」
エマのさも当然だと言うような口ぶりに思わず吹き出してしまう。向こうで出会った人達は本当にいい人ばかりだ。
「こんな美女にそう言われたら自信持つしかないね」
「そうでしょ？私って滅多に男性を褒めないから、カイトは自信を持っていいと思うわ」
「そうだね。よし、今日は飲もう！明日は休みだし二日酔い覚悟で」
廉とのことは若い頃の甘くてほろ苦い思い出だと割り切ろう。きっと廉もそれを望んでるはずだ。
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うえ - eyytさん初めまして、とっても素敵なお話しをありがとうございます。何度も読み返しています！過去作も大好きです！こちらのお話しの続きが読める日を楽しみにしています。お元気ならいいのですが… (3月30日 1時) (
レス) @page11 id: 9333317159 (このIDを非表示/違反報告)
eyyt(プロフ) - ことはさん» わー！何回も読み直していただいてるんですね、とても嬉しいです！励みになります。更新頑張ります！ (1月3日 10時) (レス) @page6 id: 3a39857c8f (このIDを非表示/違反報告)
ことは(プロフ) - お話待ってました！ありがとうございます。eyytさんの作品大好きで、何度も読み返しています。 (1月3日 9時) (レス) id: befd367002 (このIDを非表示/違反報告)
eyyt(プロフ) - ひさみんさん» いつもありがとうございます！待っていてくれてた方がいてうれしいです！更新頑張ります (1月3日 3時) (レス) id: 3a39857c8f (このIDを非表示/違反報告)
ひさみん(プロフ) - 新作嬉しいです！続き楽しみにしてます！ (1月3日 0時) (レス) @page3 id: b4b147eea4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：eyyt | 作成日時：2023年12月30日 19時
