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本当に自分の耳が信じられなくなって、少し詰め寄りながら彼に聞く。
「そ、それって、全国JOCジュニアオリンピックカップ水泳競技大会の事言ってます……?」
「ハイ」
「凄い普通に返事するじゃん」
「普通に見えます?結構ドヤったつもりだけど」
どやって口を動かしながら首を傾げるもんだから、なんか拍子抜けしてしまって「ふぅ」と息を吐いた。本当は頭の中に『それほどの人がどうして水泳辞めてたの?』って、シビアな会話になりそうな疑問は生まれていたけど
それこそなんか、この場で聞いてはいけないような気がして口をつぐむ。
理由はひとまずなんでもいいじゃないか。なんであれ、こんな片田舎の弱小水泳部にS1がFrのJOC覇者が入部するのだ。小エビでマグロを釣るくらいの革命的出来事でしょう。
「なるほど、だから日高先生も知ってたんだね」
「おそらく。センパイは競技経験ないんですか?」
「小学校まではスイミング通ってたよ。わりと序盤で3個下の弟にタイム抜かされてからは、『センス無いなぁ〜』と思って辞めちゃった。でも水泳は好き!」
「へぇ。センパイが泳いでるところ見てみたかったな」
「えっ?」
「あ、他意は無いです」
どゆこと?って深追いする前に、車道の向こう側に駅行きのバスが見えた。「走ります?」って廣瀬くんは私の返事を聞く前にバス停に向かって小走りを始めた。
私との距離はあっという間に数メートル出来ていて、「止めとくんでゆっくり来て良いですよー」って振り返りながら言う光景は爽やかだ。
そしてなんとなく、掴み所がない。
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祐莉 - お久しぶりです! 更新いつまでも待ってます。 (2022年10月21日 20時) (レス) id: 141db64209 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - masayo_8さん» ゆっくり更新になりますが、是非お付き合いください😌💓水とお友達のびふぁ君たちを書きたかった…! (2022年10月8日 2時) (レス) id: 8cbda2bab5 (このIDを非表示/違反報告)
masayo_8(プロフ) - 新しい小説〜!これから、楽しみですぅ( ꈍᴗꈍ)水泳部。。。想像しただけで、よだれが。。。(笑) (2022年10月7日 8時) (レス) id: 9b3b932bb4 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - 祐莉さん» お久しぶりです。またまた私でなんだか申し訳ない(笑)ゆっくり更新していきますので、気長にお付き合いいただければ嬉しいです(^^) (2022年10月3日 4時) (レス) id: e5900b4b59 (このIDを非表示/違反報告)
白(プロフ) - BESTY さん» はじめましてこんにちは!色々とお読みいただいているようでありがとうございます(^^)ゆっくり更新にはなりますが、楽しんでいただければ嬉しいです。 (2022年10月3日 4時) (レス) @page12 id: e5900b4b59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白 | 作成日時:2022年9月30日 22時