ep.18 ページ19
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「コードネームももらって、なかなかいいとこまでいったんだぜ?」
「やるじゃん、諸伏ちゃん!」
「…おい、そんな危ないとこへどうやって行ったんだ」
陣平くんは怖い顔つきでこっちを見てきた。
救世主の正体をまだ明かしてないのに見るんじゃないよ。
「オレからの連絡で助けにきちゃったんだ」
「連絡ゥ?」
「ああ。夜には絶対送ってたんだ。
でも、その日は別れの挨拶を送った」
「…バレたからか」
「そしたら、目の前に救世主が現れたんだ。
"やっと見つけた!"って息切らしながら…
そこからは怒涛の偽装工作だったよ」
「なにしたんだよ」
「そこまで知る必要は無いさ。
偽装工作のおかげで組織から逃げることができたのだから」
話を無理やり区切ると、雅美さんは顔を青くして下を向いていた。
声をかけるとゆっくりと顔を上げた。
「そ、その組織って…」
「たぶん雅美さんの思ってる組織さ」
「やっぱり雅美さんも…」
「私はコードネームすらないただの末端ですけどね…」
「ただの末端に10億円事件を起こさせるとは思わないがな」
「10億円事件って、まさか…」
「「「10億円強奪事件!?」」」
「デカい声で言うなバカタレども!!!」
またもハリセン大活躍。
三人一気に打ちのめした。
「ったく…話の腰を折ってすまないな」
「い、いえ…」
「ったぁ〜…
それにしたってなんで救世主がお出ましになったわけ?」
「…ああ、そうか。
研二くんはあらましを聞いてないんだったな。
ではまず、この事件を起こすことになった雅美さんの話から聞こうとしようじゃないか。
デザートはアイスでいいかい?」
立ち上がりながら聞くと、間の抜けた声と食器を重ねる音がした。
「Aちゃんも話の腰折るの好きだよね。
俺は食べる。何味?」
「ケンカしないよう全員ちょっとリッチなバニラだ」
ヒロくんが食器を浸けに来たので、とりあえず話をするために戻るよう伝える。
すぐに洗えないことに不服そうだったが、内容が内容なので了承してくれた。
小さめの茶色のカップとスプーンを各自に配る。
「さて、このアイスは少し溶けてからが食べ時らしいな。
それまでの議題は、雅美さん救出作戦だ。
三人にも意見を求めるのでよろしく頼むぞ」
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aaa - ふたみや遥様の作品大好きでずっと愛読してました!更新とても嬉しいです!ありがとうございます、!! (2023年5月5日 14時) (レス) id: 15c763c3c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふたみや遥 | 作成日時:2021年5月21日 17時