*Ability8 ページ8
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結局、実習1日目は大畑さんと少しお話するだけで終わってしまった。まだ基礎の、しかも初めての実習だからコミュニケーションとか情報収集を主にやるのだけれど、それすらも上手くいっていない
最悪の滑り出し
「A〜バスで帰る?」
「あ、先帰ってて、これやってから帰るから」
「あぁ、坂田さんか。この野郎、後で報告よろしく」
「そんなんじゃないから!」
友達の誘いを断ったのは、坂田さんに待っててと言われたから
本当なら遅くまで実習先の病院に残ることも、そこの看護師と必要以上に仲良くなることもいけないんだろうけれど
先に着替えだけして、どうせなら出された課題でもやりながら待っていよう。終わっても来なかったら、その時は帰る
なんて言ってた自分を殴りたい
「終わんない....」
いかに自分が必要な情報が取れていなかったか、疾患に対する知識不足かが伺える
ふと時計を見ればもう既に2時間は経っていた。まだ明日の計画が立てられていないがしょうがない、時間が時間だしもうそろそろ帰ろうか
そう思って椅子から立ち上がった時、勢いよく扉が開かれる
「あ、よかった....まだいた、」
少し息を乱した私服姿の坂田さんが扉をガラッと開けて中に入ってきた
マスクをしていない彼の顔はまだ見慣れないし、私服なんて初めて見た。黒を基調とした、所々アクセントとして白が入った服。意外とダボッとしたものが好きなのか、黒いズボンはまるでワイドパンツのよう
「髪、長いんやね....病棟じゃ纏めとるから分らんかった」
「成人式のために伸ばしてるんです」
へぇ、なんて言いながら扉を閉めると長机の上に自分の荷物を置いてこちらにゆっくりと歩いてくる
「どこかわからんとことか、僕でよければ教えよか?」
「わからないって言うか...、調べたら分かることなので自分でやります」
「そう?偉いなぁ。僕が学生の頃は友達に何でもかんでも見せてもらってたよ」
懐かしむように目を細めて窓の外を見る彼に、あの...と声をかければ、その視線は私に向く
夕日にあたって光る、赤みがかった髪が綺麗に見えた
「気になること、って、何ですか?」
「.....」
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ふぁん(プロフ) - めちゃくちゃ好きです!!考える力がやばいですね?!←とにかく大好きです!!応援してます!! (2018年7月4日 6時) (レス) id: f99b176aca (このIDを非表示/違反報告)
おもちちゃん?(プロフ) - もくさんの作品って感じですごく好きです!!新作も面白くなる予感しかしません!!これからも頑張ってください!! (2018年5月15日 23時) (レス) id: 3548c41063 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:もく。 | 作成日時:2018年5月12日 23時