「私と世界、どっちを取る？」【心操人使】 (ページ10)

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なんだか懐かしく感じるねページ10

｢私達も行こうか｣
｢そうだな｣

そういって彼は私の手を取り少し早足で居酒屋に向かった。私は少し動揺しながらも、その手の温度を忘れないようにいつも通りを装った。

｢え、やっと？｣
「くーっ、まじか...」

先に飲んでいたのか二人のグラスは半分ほど減っていた。私は響香の前に座った。人のこと言う前に自分たちのことを見やがれ。とも思うが、心操は相変わらず鈍いのかわかっていなかった。

「腕、話して」
「え...あ、悪い。」

上鳴の表情が完璧に弄る気であることに気づいていた私は｢残念だけど二人の想像は外れてるよ。」とメニューを見ながら言えば二人は少しガッカリした様子だった。だいたいお前らだってはよくっつけよ。

｢もうなんか頼んでる？｣
「うん、二人も食べたいのあったら頼んでね」
「じゃあいつものでいい？」
｢もちろん！ありがとうね｣

心操はお店の人を呼んで私がいつも頼んでいるお酒を注文してくれた。こういうところの気遣い凄いかっこいいよなぁなんて思いながら、上鳴と響香を見つめる。喧嘩しながらもこうして仲良くやっているのを見ていると少し羨ましくなる。さっさと付き合えよ、なんて思っていれば意外とすぐにお酒が来たので乾杯を交わして、大人の世界へと潜り込んでいった。