「私と世界、どっちを取る？」【心操人使】 (ページ9)

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ありがとうページ9

結局警察への引渡し等を行っていれば日も傾き初め遊ぶ時間などなく、いつの間にか日が暮れ始めていた。男は洗脳で全てを自白し、私が撮っていた証拠写真でお縄行き。女子高生の精神状態も安定した。

｢非番の日に結局ごめんね。｣
「いや、謝るなよ。ヒーローとしては誇らしいことだろ。」

駅の改札を抜けて、私たちは一件落着ということで少し話す。私は一回思いっきり伸びをしてそういえばと、聞いた。

「まあそれはそうなんだけど。というか飲みってどこ？」
「ちょうどここの駅だな」
「それはラッキーだね」
｢あの！！｣

唐突に私たちの後ろから女の子の声がする、振り返ったら先程の女子高生だった。心做しか足が少し震えている。

｢ありがとう、ございました！｣

この瞬間が一番、ヒーローをやっていて良かったと思える瞬間だと思う。私はこの子が勇気をだして私の服の裾を引っ張ってくれたから気づくことができた。そんな思いも込めて

｢もっと早く気づいてあげれたらよかったね。ごめんなさい、けど貴方のお陰で男を捕まえることが出来た。感謝することでは無いけど、教えてくれてありがとうね｣

彼女の手を握り微笑むと彼女はもう一度頭を下げて母親であろう人と一緒に帰っていった。