合否通知 ページ5
｢おい逆張り、これ届いとったぞ。｣
2月の某日の夕方、いつ届くか分からない私の合否通知を共有スペースへと届けてくれたのは以外にも爆豪だった。彼とはそんなに接点が多かった訳でもない、ただ訓練で一緒になれば少し喋る程度だったので少し意外だった。
｢私が休み時間ごとに行き来した意味ないじゃん。まあありがとう！｣
私は爆豪の腕を引っ張り共有スペースに連れてく。もう皆知ってるんだったらとことん巻き込んでしまおう！殆どの子が既にヒーロー事務所と契約している。卒業後即の事務所独立組はまだ大変そうだけれども。
｢お、爆豪おかえり...って珍しいな！お前らが一緒なの。」
切島は私が爆豪の腕を引っ張っているのを見てびっくりしていたけれども、私の手に持っている封筒を見て息を飲んでいた。
「かっちゃんをよく引っ張ってこれたなぁ逆先」
｢抵抗してる力を逆にしたからね。｣
上鳴もいつも通りに話しかけてくれたが、封筒の存在に気づいたようで固まっている。
｢逆先さん...！もしかしてそれ｣
「うん、もしかしてだよ」
と私がもったいぶってまだ開けてなかったのに痺れを切らしたか、それとも腕を掴みっぱなしだったのにイラついていたのか爆豪がついに切れた。
｢さっさと開けろや！！｣
｢おっと、そうだね。｣
私が慎重に合否通知を開けていると三奈が｢ちょっと待ったー！！｣とストップをかけた。
｢どうしたんだよ芦戸。｣
切島が三奈の肩を掴んで聞くけれどみ勢いが止まることはなかった。
「いやいや、心操呼ばなくていいわけ？！」
「なんで心操なの？」
「いや、それは...」
まあ女の子達には言っていたことだけれども、それでも合否がわかっていないのに呼び出すのも申し訳ないし。
「心操には後で一番に報告しに行くつもり。」
｢あ、そゆことね。｣
「へぇ〜逆先がねえ。」
上鳴と瀬呂が察したように私を見てくるのに少し呆れつつも、合否通知を見る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 23人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：爆蜜柑 | 作成日時：2024年2月2日 18時
