「私と世界、どっちを取る？」【心操人使】 (ページ4)

今日:21 hit、昨日:20 hit、合計:3,405 hit

バレちゃったページ4

それからの日々は忙しかった、もちろん普段から勉強する習慣はなかったわけではないけれども、今まで以上に勉強しなければいけなかったし、みんなが就職活動に関しての勉強をしている中言い出しづらくもあった。

ヒーロー基礎学もこなしながら、インターンにも行き、その合間に勉強。１ヶ月でどこまで詰めれるかが勝負だった為、先生にもう一度相談の末、受験までの2週間はインターンは休みを貰った。

「え、Aちゃん受験するん？！」

受験まで残り少しのお昼休み、勉強しながらご飯を食べようとカロリーバーとお茶を机に出して、赤本を開いていればお茶子が教室で遂に大きな声で言い出した。

私は慌ててしー！とやったが時すでに遅し、クラスの視線を集めている。今までなぜ私が隠してきたか、ただ1つ。クラスメイトに気を使って欲しくないから。ただでさえ就職活動という点で疲弊しているのに私にまで気を回して欲しくなかったから。

｢そうだったのか？！｣
「皆就活で忙しい時に言い出しにくくて...って早くお昼食べに行きなよ！後輩に席取り勝てなくなるよ！」

私は自分からの興味を逸らすためにそういえば皆思った通り頑張ってね！と応援の言葉だけかけてくれて食堂に向かった。

教室に残っている人達はもう既に勘づいていたはずだが、これで私が大学受験することはクラスのみんなが知ってしまった。あんまり気を使わせないように気をつけなきゃなぁと、先程までの喧騒が嘘みたいに消えた教室で私は改めて気合いを入れ直した。