「私と世界、どっちを取る？」【心操人使】 (ページ22)

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リーバスの活動休止ページ22

検査が終わり、結果としては脅威的なまでの回復力で明後日にはもう退院できるそうで、後遺症なども特になく、これからもヒーロー活動は可能だそうだが、外傷を無闇矢鱈に自分に移すことは注意されたが、きっと守れないのだろう。

暇になった病室で、適当に傍らにあったスマホに手を伸ばせば、ダイナマイト...爆豪からの不在着信が2件とメッセージが残っていた。それを見てみればそこには「一ヶ月仕事来んな、精々身体動かせるよう体力戻しとけや。」と書かれており、断ればどうなるかは一目瞭然。

結局返信はありがたく頂戴いたします。とだけ送ってみれば、数分も経たないうちに事務所のHPから所属ヒーローリーバスの活動休止について。と出ているものなのだから末恐ろしいものである。

「怪我したって聞いたけど大丈夫なの！？」
「わざわざ来てくれたんだね響香。平気平気。明後日退院らしい」
「はぁほんとにあんたって心配かけさすのだけは人一倍なんじゃない?」
「ごめんね心配かけて、でもこう見えてヒーローだし全然安心して欲しいね。」

病室のドアが急に開かれたと思えば響香が私に抱きつそう言ってくれた。良い友人を持ったなぁ。この子達を守れるヒーローにならなければ。と夢が叶った今でも夢への気持ちは募っていく。

「そういえば心操とさっきすれ違ったけど来てたの？」
「来てたよ。しかもちょっと喧嘩じゃないけど揉めて気まずい。」
「はやく仲直りして付き合っちゃいなよ」
「ありがとう。学生の時から本当申し訳なくなるほど発展してないけどね」

むしろ大人になってからの方が距離感が分からなくなった。ふと病室の外から緑が吹く。木々が揺れる音はまだまだ夢を追いかけられるなんて言っているようで少し嬉しく感じる。