「私と世界、どっちを取る？」【心操人使】 (ページ13)

今日:12 hit、昨日:34 hit、合計:3,430 hit

プロヒーローとしてページ13

「それは漢らしいけどよ、質問の趣旨に反してるんじゃねえのか？どっちかしかダメなんだったら、せめてアイツが生きた証を残す為に、俺は世界を救っちまうかもしれねえな。」

実際この選択肢は私も酷なものだと思うし、多分実際そんな状況になったとしてこんな簡単に選べるものではない気がする。

｢お前はどっちなんだよ｣
「私は、迷わず愛する人を選ぶかな。世界を救うなんて大層なことできないから、せめて愛する人だけでも救けたい。」
｢人によって答えって変わるもんなんだなぁ。｣

切島は感心するようにそういった、爆豪は聞いてきた割には興味がなさそうにしていた。多分私と緑谷、爆豪、切島辺りは考え方が真逆だと思っている。事実、彼らは立派な理由で夢が成り立っているが私の夢は両手に収まるくらいのちっぽけな理由である。

♢

｢おはようございまーす。｣
「逆先おはよう、ダイナマイト事務所は朝が早くて大変だよな。」
「チャージズマ今日早くない？そういえば今日のパトロールって私どこだっけ。」
「東区の方じゃね？俺が西区だったし。」
「おー、ありがとう。」

私は眠い目を擦ってコーヒーと朝食をデスク前で取る。いつどこで呼ばれるかも分からない状況で悠長に家にいるのは良くないと、思っているからだ。カフェインを頭にぶち込んでいれば上鳴は

｢そういえば、心操とは最近どうなのよ｣
「残念ながら特に何も。」
｢まだ好きなんだろ？いい加減告っちまえばいいじゃん。｣
「そうだ、上鳴にはこの質問まだしてなかったっけ。」

私はお得意の質問をしようとした時、爆豪に｢お前らだべってる暇あったらさっさとパトロール済ませてこいや！！｣と怒鳴られてしまった。私たちは事務所を出てそれぞれの担当地区に向かった。

まああんな質問、迷惑かけるだけだしいっか。