嘘と出会い＿episode5 ページ35
「ところで少年、私からお願いがある。」
rb「なんや？」
真剣な顔付きで、女医は少年を見つめこういった。
「その握られた手を振りほどくな。何があっても信頼し、後についていけ。
…これでもお嬢様のことは私が診ていたのだ。お嬢様と奥様領主様の考えていることも何となく察せる。」
少年は驚いて、少し肩を後ろに追いやる。そして女医は悲しげに笑って少年に言った。
「君の名前は？」
rb「俺？ロボロやけど…」
「ロボロ、いい名前だな。私はリューゲ。何かあったら何時でも医務室の私を訪ねてこい。」
rb「？わかった、ありがとう。」
「敬語は、もう既に外してるが要らない。私もいいよな？」
rb「もちろんや。」
少年がそういえば今度は背中をバシッと叩いた。
「そうだ、奥様には報告しない。」
rb「え、なんで？」
「…お嬢様は完璧でないといけない。体調管理もできない令嬢があの、フューラー家に嫁ぐ候補者など務まらないからな。私から上手く誤魔化しておくが、絶対に口外はするなよ。あのメイドにも先程言っておいた。」
md「…お待たせ、いたしました！」
「ああ、助かった。そこに置いておいてくれ。先の話、頼んだぞ」
md「わかってます！」
少年は少女の額に冷たいタオルが乗せられた時にほっと表情が緩んだ姿を見るとなぜだかほっとしていた。
印象は変わっていたが、それでもまだ最低限しか喋ったことがないし、いつもお高くとまっているようにも感じていた。
けれども少しだけ彼女の本心が垣間見えた、弱っている姿を滅多に見せないような彼女の弱っている姿を見た。それに女医の話も聞いた。初めて会った時の優しさも気づいていた。
「ろ、ぼろ。ありがと、うね。不甲斐ない主人で、ごめんなさ」
少年は呟いた。
rb「改めて、今度は本心から俺はお嬢に仕えることをここに誓います。不甲斐なくないで、俺が思っとったお嬢様とは全然ちゃうかった。」
「ふふ、それなら。よ、かったわ。改めて、よろ…しく」
少女はそう笑って少年の手のひらに指をぎゅっと絡ませて笑った。彼らの心がほんとうに繋がった、出会いの物語である。
蛇足だが、リューゲは失踪した。
どこかで彼女は煙草を吸いながら自分の子供に向かって吐き捨てた。
「お前を潜入させるにはまだ早いようだ。そうだな…10歳を過ぎるまでは隠しておこう。
必ず、彼女の＿＿となるのだ。お前に、託したぞ。ガオナァの希望の光。チーノ」
齢3歳の少年は笑って見せた。不気味なぐらい不自然に。
彼らの思い＿episode35→←嘘と出会い＿episode4
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爆蜜柑(プロフ) - くれぴとさん» コメントありがとうございます！夢主ちゃんちゃんと可愛くかけているか不安だったので嬉しい限りです……天才と秀才の違いも意識して話に入れていたので、気づいていただき嬉しい限りです！ (8月23日 3時) (
レス) id: 485e908806 (このIDを非表示/違反報告)
くれぴと - ちょっとヤバイ夢主ちゃんが可愛い((ちょ、夢主ちゃんください(((((殴 この作品みてると学校でこいつ天才やん！っておもっとった人がもしかしたらたくさん努力してたのかなって思いますね… (7月28日 10時) (レス) @page38 id: e2b452ca9a (このIDを非表示/違反報告)
爆蜜柑(プロフ) - いちごおしちゃん☆さん» 閲覧いただきありがとうございます！好きだなんて……嬉しい限りです。これからもいい作品になるよう精進してまいりますので、よろしくお願いします！更新頑張ります！ (7月17日 16時) (レス) id: 485e908806 (このIDを非表示/違反報告)
いちごおしちゃん☆(プロフ) - めっっっっちゃ好きです！！！最高です！！もう、なんか語彙力ないんですけどめっっちゃ好みです！！もう次の更新が待ちどうしいです！！体調に気をつけて頑張って下さい！！！！ (7月13日 21時) (レス) @page26 id: 44c7a03b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：爆蜜柑 | 作成日時：2023年6月2日 23時
