初恋の復習３ (ページ9)

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「プログラム8番、障害物競走です」

よし、この時が来た。俺は偶然にもミンソクと走る順番が一緒。ここで、1位になってAちゃんを俺に振り向かせて見せる。

普通に走ればミンソクの方が速いけど、障害物があるから、勝算はある。練習では、ミンソクとは走ってないけど俺はみんなより速い方だった。

「ミンソク、俺、絶対負けないから」

「俺も負ける気ないけど」

スタート地点に並ぶ。隣にはミンソク。あードキドキしてきた。

「ベク、俺、Aちゃんの事、好きになった」

はああああああああ？

驚いてミンソクを見ると、たまにする悪い顔。えっと思った瞬間、ピストルがなって出遅れた。

最下位からの出発。だけど得意の平均台ですぐに追い上げ、ネットでミンソクを抜かし、晴れて1位になった。どうだ、これが俺の実力だ。

「あ～。勝てると思ったのに」

「ミンソクさっきの嘘？」

「あれは、本当」

「え！駄目！駄目だって言っただろ」

「んー。でも、もうそうなっちゃったし。悪いな、ベク」

「悪いと思ってるんだったらやめてくれよ」

「じゃ、思わない。ベク、厄介なのは、俺よりギョンスだと思うけど？」

なに言ってんだよ。Aちゃんが自分の事好きって知ってるだろ。それにギョンスは今、Aちゃん離れしてんだよ。

せっかく1位になったのに、喜べなくなった。

席に戻ろうと歩いているとAちゃんが俺の前まで走ってきた。

「ベク！ミンソク君より速いなんて凄い」

「俺、カッコよかった？」

「うん！凄いカッコよかったよ！」

ヤバい。嬉しい。そして可愛いAちゃん最高。

「さすが、忠犬ハチ公だね！」

……………………。

Aちゃんは、悪くない。悪いのは期待した俺。