初恋の復習３ (ページ5)

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行き交う思惑ページ5

「プログラム3番、一年生による100m走です」

開会式の後、準備体操も終わって僕達1年の走る番が来た。

僕は6人ずつ走って2位。
男子が終わると女子の番が来て、ついAを探してしまう。

いつもは、おろしている髪を今日は２つに結んで少し幼く見える。他の女子より一際白い肌のお陰ですぐに見付ける事が出来た。

ピストルが鳴って走り出すAは遅い。体育の授業で見てたから知ってるけど、最初から最下位で、そのままゴールに辿り着く。まぁ転けないで走ったからいいか。

男子から退場して椅子に戻ると、後からAも帰ってきた。

「ミンソク君、1位おめでとう。カッコよかったー」

「ありがとう。Aちゃんも可愛かったよ」

「それ馬鹿にしてるの？」

「Aちゃんってさ、もっと早く走れるんじゃない？」

ミンソク君とAの会話に割り込むベッキョン。

確かにAは、もっと早く走れる筈。

「A、椅子持って走ったら良かったんじゃない？朝の方がよっぽど早かったよ」

「あ、それ俺も思った」

「2人ともうるさい～」

「Aちゃん何で本気で走んないの？」

ミンソク君に聞かれて口籠るA。

「Aちゃんは、目立つの嫌やねんなー」

Aの代わりに答えるジョンデ。それに頷くA。

最下位も結構目立つけど。なんで目立つの嫌なんだろ。人目を引く容姿のせいで、すでに目立ってるけど。

「Aちゃん、借り物競走出るよね？1位になったらご褒美あげるよ」

「本当に？」

「うん。だから頑張ってね」

「うん！」

この席、Aとミンソク君のイチャつきをずっと近くで見なきゃいけないのか……。ベッキョン大丈夫？

「ミンソクさっさと応援団のとこ行けよ」

あ。大丈夫そう。

「そうだった。ハナ行こう」

応援団は競技が行われてる時は皆んなが座る前に出て競技に出る生徒達を応援しなきゃいけない。

ハナさんと走って行くミンソク君を羨ましそうに見るA。こればっかりはしょうがないよな。

空いたミンソク君の席にちゃっかり座るベッキョン。

僕は逆隣のユアに話しかけられて、ユアと話す事にした。