初恋の復習３ (ページ31)

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「Aもうお風呂入ったの？」

「まだ」

「じゃあ、お風呂入って早く寝ないと。体育祭で疲れてるんだし」

「疲れてないもん。あ！」

「な、なに」

「ギョンス君、A今、なんにもしたくないみたい」

「え？」

「だからー、なんにも出来ないの。お風呂も入れない」

「うん。じゃあ、ちょっと横になったら？」

「違うでしょー！？」

「え？なにが」

「ギョンス君、もう忘れちゃったの？Aが何にも出来ない時は来てくれるって自分で言ったのに」

「…………」

「ギョンス君、何にも出来ないよ。来て？」

「絶対出来るから。それに今から行ったら帰りの電車無いし」

「明日、土曜日で良かったね」

駄目だ、これ。さっきは心配になったから、そう言ったのに。

「A？嘘付くと本当に信じて欲しい時に信じて貰えないんだよ」

「ちょっとだけ、駄目？」

「駄目」

「じゃあ、Aがギョンス君の家行ってもいい？」

「は！？」

「幼馴染は、家行き来するってジョンデ君言ってたもん。電車で5駅だよね？今から行っていい？」

ジョンデのやつ。また余計な事を。

「もう遅いし危ないから」

「じゃあどうしたら会えるの？会いたいよ、ギョンス君に会いたい」

「はぁ、わかったよ。僕が行くから。でも、今日だけだよ。次は本当に何にも出来ない時しか行かないからね」

「うん！分かってるー。気を付けて、でも急いで来てね」

「はいはい」

言い出したら聞かないAにいつも最後は折れてしまう。

僕って甘いよな。はぁ……明日、休みだし歩いて帰ればいいか。

部屋着から着替えて、素早く準備する。一応、着替えとかも入れて。これは、一応な。また何かこぼされるかもしれないし。

まだ電車は走ってるし、ゆっくり行けばいいんだけど、Aの言う通りに急ぐ僕。

Aの「会いたい」が耳から離れなくて、僕も早くAに会いたくなったみたいだ。