初恋の復習３ (ページ27)

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「その前に、僕お茶を飲みたい」

Aがほんの少し離れて、方手を伸ばしてお茶を取って僕に渡してくれる。もう片方は僕を掴んだまま。

「この手なに？」

「ギョンス君が家に居るの久しぶりだから」

久しぶりだからなんなんだ。全然答えになって無い。

「近いと質問しづらいでしょ。離れて」

「嫌だ。近くで見とかなきゃ嘘ついてるの見破れないもん。嘘つきは罰ゲームでしょ」

何から聞こうかな～って考えるAは、とっても楽しそうだ。

「えーと、好きな人ができた」

「ノー」

「今日、隣に座ってた子の事が好き」

「ノー」

Aが不満気な顔をする。僕の答えが気に入らないみたいだ。

「……Aにお願いされて困った」

「ノー」

「本当はしたくなかった」

「ノー」

「Aと幼馴染になった事、後悔した」

「ノー」

「Aの事が面倒くさい」

「ノー」

「Aの事、避けてた」

「ノー」

「Aの事、嫌になった」

「ノー」

「ギョンス君うそつき」

「嘘ついてないよ」

後半はともかく、前半は全く見当違いなんだけど。

「今日はずっと一緒に居てくれるって言ったのに、あの子とばっかり話してたもん。ご飯の時も。すきなんでしょ」

「僕がユアと話すの嫌なの？」

「ギョンス君の幼馴染はAなのに」

でた。幼馴染。Aのいう幼馴染って1番仲良いとか、そういう事なのかな。ミンソク君とベッキョンを見て言い出したし。

「Aがミンソク君と2人で話せる様に気をつかったんだよ」

「そーなの？」

「そうだよ」

「嘘ついてない？」

「うん。Aこそ、僕に嘘とか隠してる事無い？幼馴染になったから何でも話してって僕言ったよね」

僕を責めてた目が急に潤んでくる。
ジスが言ったこと本当なのか。本当なら、ちゃんと話して欲しい。

「……ないよ」

嘘だ。
ないなら、なんでそんな顔するんだ。どうして僕に言ってくれないんだろ。

「そっか……。僕、そろそろ帰るね」

「え！嫌だ。まだ来たばっかなのに」

「体育祭で疲れたし、僕、体操服のままだし」

「あ！ちょっと待ってて」

鞄を広げて何か探し始めた。あった！と言ったと思ったら今度はクローゼットに移動する。あそこには確か……。

「はい、これ」

「なにこれ」

「ギョンス君の知りたいこと。隠してた訳じゃないよ。ベクがうるさいから学校では言わなかっただけ」

Aに渡されたのは小さく折られた白い紙だった。