初恋の復習３ (ページ19)

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拭えない不信感ページ19

「プログラム16番、一年生による長縄跳びです」

体育祭も終盤。体育の時間で1番練習した長縄跳び。
クラスごとで行われるそれが僕達3組はチームワークが無いのか何なのか、練習では跳べても10回がいいとこだった。

約30名いる生徒が縄を持つ2人以外で2列になってジャンプする。単純な話なのに、いつも誰か引っかかる。

だから、今の今迄、うちのクラスメイトは誰も期待して無かったと思う。

それがまさか。

「「「46、47、48、49、50、51」」」

50いった。ちょっとしんどくなってきたな。

6クラス中残ってるのは、うちと2組だけ。両方白組だから、これはかなりのポイントになりそう。

もう負けてもいいんだけど、どこまで記録が伸びるか見てみたい。みんなそんな気持ちだと思う。

「「「71、72、73、」」」

これ、もしかして100まで行くんじゃないかなと思った時だった。

「きゃっ」

縄が止まった。今の声、女子が引っ掛かったのかな？

「Aちゃん！！！」

え……A？

ベッキョンの声がした方へ顔を向けると、縄から離れた地面の上にAが手をついていた。なんであんなとこに。

「誰だよ！押した奴！」

押された？

「ベク、やめて」

「でも、え、Aちゃん足血出てる！」

ハーフパンツから見える白い脚。その両膝から血が滲み出していた。

「きゃっ、ちょっとベク降ろして」

ベッキョンがAを持ち上げて、お姫様抱っこで救護係のいるテントへ向かって行く。

運動場にいる全ての人の視線がそこへ集まる。

いつの間にか2組の縄も止まっていた。

A大丈夫かな。ベッキョンが言う様に誰かに押された？

「あ～あ。せっかく100いきそうだったのに」

「ねー。勿体無い」

「疲れて自分で転んだんじゃないの」

「「ありえるー」」

女子達がクスクス笑って話してる。クラスメイトが怪我したのに何でそんな事、言えるんだろ。Aだから？昼間、ユアが言ったような事をみんな思ってるのかな。

ユアに目をやると、A達のいるテントをジッと見つめていた。

退場の放送がかかった後、A達のいる場所へ向かう。

「A！大丈夫？」

「ギョンス君。大丈夫だよ、転んだだけだもん」

「でも、それ」

Aの両膝に施された処置。

「ベクが大袈裟に言うから。絆創膏だけでいいのに」

「……誰かに押されたの？」

「違うよ。縄に引っ掛かったの」

「……そっか」