初恋の復習３ (ページ17)

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ついにAちゃんが走る番が来た。さっきから胸に手を当てて緊張している様子。

「位置について、よーい……」

パンっ！というピストルの音と共に走り出すAちゃん。

「え早……」

「Aちゃん、めちゃくちゃ早いじゃん」

「ミンソク君のご褒美掛かってるからね」

お題が置いてある机まで、1番で到着したAちゃん。

紙を見てから、こっちに向かって走ってくる。

そして、俺たちの前まで来て止まった。

「Aちゃん、お題何？」

「A、早く言って。何でもあるから」

声をかける2人。このままじゃ本当に1位になってしまう。

俺を見て、ミンソクを見て、ギョンスを見るAちゃん。

何？もしかして、物じゃなくて人なのか？

「…………ギョンス君、来て！」

「え？僕？」

「早く！早くして！」

ギョンスの手を掴んで猛スピードで走っていったAちゃんは、見事に1位になった。

「ミンソク、お題何だと思う？」

「うーん。背の低い人？」

「それなら、前にいる俺でいいだろ」

「あ！幼馴染」

「Aちゃん、ここに来た時、ちょっと迷ってなかった？」

「あ～確かに」

なんだろ。俺たち3人に共通する様な事？まあ、帰ってきたら聞けばいいか。

「ミンソクご褒美って何あげるの」

「あー。特に決めてないな。Aちゃんが欲しい物でいいかな」

「ミンソク！私もさっき1位になったからご褒美頂戴よ」

「なんで、俺が」

珍しく大人しくしてたジスが喋り出した。

「あ！俺も1位になった！ミンソク俺にもAちゃんと同じ物くれよな」

「ベクまで何言ってんの。俺だって100m走1位だったし」

そんな事を言い合ってると、連れて行かれたチャニョルとギョンスが先に戻ってきた。

「何だった？お題」

「じゃーん！これ！」

チャニョルが自慢げに見せてきた紙には

"背の高いイケメン"の文字。

「ジョンデはよく分かってるな。うん」

つまんね。調子に乗るチャニョルは無視が一番いい。それよりギョンスだ。

「ギョンスは何だったの？」

「分かんない」

「「へ？」」

ミンソクの声と重なる。分かんないって……。

「Aが教えてくれなかった。紙も見てないし」

なんだよそれ。余計気になる。

「背の低いイケメンじゃね？Aちゃんギョンスに気を使ったんだよ」

そう言って笑うチャニョルをギョンスが小突く。

ありえる。だから俺たち3人で迷ってたって事？Aちゃんの中ではギョンスが一番イケメン？嘘だろ～。