初恋の復習３ (ページ16)

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「プログラム13番、借り物競走です」

始まった。Aちゃん、本当に1位になるつもりなのかな？ミンソクのやつ、ご褒美って何あげる気なんだろ。まさか好きとか言わないよな、さっきクギ刺したばっだし大丈夫か。

ていうかギョンスまで手握る意味が分かんないだけど。離れようとしてんならそんな事すんなよ。

「お玉～、誰かお玉持ってない？」

隣のクラスの男子がお題が書いてある紙を片手に俺たちの前まで走って来て、そう言った。お玉なんか持ってる奴いるかよ！

「「俺(僕)、持ってる」」

は？

真後ろから聞こえてきた２つの声。振り向くとミンソクとギョンスがお互いの顔を見つめ合っていた。

「あれ、ミンソク君も？」

「じゃあ、ギョンスもその鞄……」

「貸して！どっちでもいいから早く！」

焦ってる男子にミンソクがお玉を渡すとゴール目指して走っていた。

「2人とも、その鞄の中なに入ってんの」

「なにって何か色々」

「やっぱお玉は絶対来ると思ったんだよなー」

「ちょっと見せて」

ミンソクの鞄をぶん取って、中を見てみると、ネクタイ、眼鏡、ハンカチ、新聞紙、折り畳み傘、帽子。それから下着まで入ってる。

「ミンソク何これ」

「借り物競走でありがちなやつ」

「そうじゃなくて、何でこんなん持ってきてんの」

「え？Aちゃんが、借り物競走出るって言ってたからだけど」

くそー。って事はギョンスの鞄もそういう事だろ。いくら好きだからって普通そこまでするか？保護者かよ。
あー。負けた気分なのは何故なんだ。
まずい、このままじゃ本当にAちゃんが1位になって、ミンソクのご褒美を獲得してしまう。

「チャニョル！チャニョル来て！早く」

ジョンデが走って来て、チャニョルを連れてゴールに向かっていった。

「物だけじゃ無いんだ……」

呟くギョンス。

「ジョンデのお題何だったんだろーな」

「チャニョルだから、背が高い人じゃない？」

「まぁそれが妥当だよな」

ゴールに向かう生徒を見ると物を持って走る生徒と人を連れて走る生徒、半分ずつくらいだ。

なるべく簡単じゃない物でゴールはちゃんと出来る物がAちゃんに当たります様に。