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「やぁっほーーー！！！！」
山の頂点でAが向こうに見える山に向かって叫ぶ。
耳をすませるけど、やまびこにはならない。
「ちぇっ。全然返ってこないや。」
「声が小さいんじゃないの？」
「えー？そうかな？」
次はもっと大声を出そうと息を吸ったAの口を慌てて塞ぐ。
多分ここ、やまびこ出来るほどの距離に山無いから。
恒例の写真を撮って、山を降りる。
ちょっと足をとられたAの腕を慌てて支える。
「あ、ありがと。」
「…ん。」
危ないから捕まっとけよ、って腕を差し出して
Aがやんわりと握って
俺の鼓動はドクドク、と早まる。
こうして2人で出掛けるのはもう何度目だろうか。
水族館から始まって市外の広めのショッピングモールにも行ったし話題作の映画も見に行った。
あぁ、韓国初上陸のドーナツ屋さんにも行ったっけ。
どれもこれも、あの日のミンソクのお願いだった。
”これからAが行きたい所、全部連れてってやってくんない？”
ミンソクのお願いはこうだった。
俺でいいの？って言ったら、ルハンにしか頼めないって言われたんだ。
ミンソクのプロポーズの為に動いてたはずなのに
俺の方が良い思いしちゃってる気がするんだけど。
にしても、山に登りたいって…
もうAもネタが尽きてるんじゃないの？
それ位、俺たちは2人で色んな所に行った。
その度に写真を撮って、ミンソクに見せて
ミンソクは一言感想を言ってまた次の所に出掛ける。
”2人での写真も撮ってきてよ”
そう言われるようになってからは
データの中に、ぎこちない笑顔の俺とAのツーショットが混ざるようになった。
「ねールハン、足が痛くなってきた。」
「はー？お前が登りたいって言ったんだろー？」
「登るまでが登山だもん。帰り道はどうでもいいもん。」
前の俺たちなら、ワガママか！と頭をはたいて終わりだった。
でも…今の俺は違う。
渋々、といった雰囲気を醸し出しながら
Aの前にしゃがんだ。
「ほら。」
「えっいいの？」
「その為に言ったんだろー？」
「さっすがルハン様！」
後ろから腕を回されて彼女の重みを感じる。
…大丈夫かな。
聞こえてないかな、心臓の音。
この頃の俺はもう、Aへの気持ちに完全に気付いていた。
ミンソクごめん、ごめんって。
心の中で土下座しながら彼女との日々を過ごしていたんだ。
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あまいくりーむ(プロフ) - 感動して泣きました！本当に素敵なお話ありがとうございます！ (2018年2月1日 9時) (
レス) id: 2aadc45e2f (このIDを非表示/違反報告)
pee - 昼寝の寝付けなくて読み始めたら号泣しました。笑 かぴさんのほかの作品もまだ全部ではないですが読ませてもらってます！どれも面白くてすごく泣けて大好きです！！これからもたくさん読ませてもらいます！！笑 (2016年6月13日 2時) (レス) id: d508e4f240 (このIDを非表示/違反報告)
shizuka☆ - 感動してめっちゃ泣きました…(TT) 素敵な作品ありがとうございました！ (2016年4月24日 0時) (レス) id: 856a77ea44 (このIDを非表示/違反報告)
miho(プロフ) - すごく素敵な作品でした。後半は涙が止まらず、読み終わった後はしゃくりながら泣いていました。素敵な作品とであえて本当に良かった。これからも活動頑張ってください！ミンソク最高でした！ (2016年3月25日 0時) (レス) id: 23e05b5ddb (このIDを非表示/違反報告)
たろうくん(プロフ) - 読ませていただきました！涙が止まりません。男前ミンソク最高です。友情モノありがとうございます (2016年3月18日 15時) (レス) id: ab00f2bab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴ
| 作成日時：2015年2月16日 3時
