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「母親が…」
「うん。」
しばらくの沈黙の後
意地でも立ち去らないつもりの私を見て
ポツリ、と言葉を発するジョンイン。
「死んだんだ。」
「え…お母さんが」
「うん。」
確か、ジョンインは母親と2人暮らしだった覚えがある。
「卒業してすぐに。何でだと思う？…自 殺だよ。友達の連帯保証人になっちゃったんだって。」
あまりの衝撃に、言葉が出なかった。
「200万。たった200万だよ。俺が毎日働いて1円も使わなかったらたった半年で貯めれる額で、母さんは死んだんだ。」
「なんで…」
「相手がヤクザだったから。利子が異常だった。」
じゃあ、何で今貴方は…
「何でそんな連中のとこにいるんだって思うでしょ？」
「そうだよ…おかしいよ！」
「恨みとかじゃないよ。連帯保証人なんかになる母さんが悪い。俺に相談もせずにさ。どーせ子供だから言っても無駄だと思ったのかな。」
段々と口数も増えていく彼。
「結局利子付きの借金だけが俺に残ったのね。んで、それを肩代わりしてくれたのがうちの組の親父さん。」
「肩代わりって…またヤクザに借りを作ったのなら何も変わらないじゃない…」
私の言葉を聞いて、彼は乾いた声で笑った。
「そうかもね。でもあの時、そうするしかなかったんだよ俺。たかが高校卒業したての子供に、まとまった金を用意する事なんて出来なかった。」
「その、組長さん？に、どうやって返すの？」
「俺がここで結果残すしかない。」
じゃあ、いつ終わるの？
200万から始まった、この歯車は。
「今俺のいるべき場所はここなの。ここしかないの。だからAとは一緒にはいられない。まぁこんな話聞いたらいたくもないだろうけど。」
「一緒にいたいよ、私は。連れて帰りたいし助けたい。でも、そんな単純な話じゃない事だってわかる。」
「でしょ？だから、もう好きとかなんとか言ってないで早く帰ってよ。」
ジョンインがまた私を突き放すまでの間に、必死に打開策を考えた。
でも、どう頑張っても出てこない。
無力な自分が悔しくて、涙が出る。
きっと彼も、こんな想いをしたのだ。
彼の方がもっと辛かったのだ。
「今度こそバイバイ。…俺も、好きだったよ。A。」
薄く笑った顔に、昔の彼が垣間見える。
背を向けて歩き出す。
「ジョンイン！」
10m程離れた場所で振り向く彼。
「ごめんA！必ず戻るから！でも…待たないで。」
そう叫んで夜の街に消えて行った。
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あまいくりーむ(プロフ) - かぴさんの描くEXO胸キュンです！これからも楽しみにしています！ (2018年1月31日 17時) (
レス) id: 2aadc45e2f (このIDを非表示/違反報告)
ショーン(プロフ) - 最後のジョンインので号泣してしまいました。めっちゃ面白いです。 (2015年10月18日 2時) (レス) id: 2d2ab8a7c1 (このIDを非表示/違反報告)
ぷー(プロフ) - かぴさんのせっちゃんかわいくてかわいくて永久保存版です(//∇//)タオちゃんの、微妙な今なので尚更かわいいタオちゃんが愛しくて可愛すぎて頭ｳﾘｳﾘしたいくらいです〜！ (2015年5月8日 9時) (レス) id: 4981811fae (このIDを非表示/違反報告)
かぴ(プロフ) - コニさん» ありがとうございます！！せっちゃんはですね、本当に本当に書くのが楽しくて愛おしいです（笑）こんな感じでいてほしいですよね。。4話で終わらせると決めているのでそこに気付いて下さって嬉しいです！短編にも力入れていきますね！本当にありがとうございます！！ (2015年4月8日 3時) (レス) id: 84a56e5326 (このIDを非表示/違反報告)
コニ(プロフ) - 今ではルハンペンなのにタイプはセフンとなんとも不思議な状況に陥ってしまいましたw4話というとても少ないスペースであんなにストーリーの構成ができているなんて素晴らしいです!かぴさんの作風本当に大好きです!社長様の言う通りも愛読です 長いコメント失礼しましたw (2015年4月7日 23時) (レス) id: 6f5788a197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴ
| 作成日時：2015年2月16日 2時
