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ドアノブに手を掛けて深呼吸したら、外からガタッと音がした
「っ…はぁ、はぁ」
辛そうな声が聞こえたと共に思わず扉を開けた
「テヒョン！！！」
膝を地面に付けてキツそうに肩で息をする社長が、そこに居た
急いで駆け寄り抱き締める
驚く程に冷たい身体
「テヒョン！！」
「…A？本物か…？」
「身体暖めなきゃ、」
「俺の事は、どうでもいい…はぁ、」
急いで中に入らせようとする私の腕を引き
息が止まるくらいに強く抱き締められた
「やっと会えた……」
「………っごめんなさい、」
鼻いっぱいに感じる彼の香りに、涙がこみ上げる
腕を緩められて手で頬を挟まれる
「…お前の顔が言ってる、俺の事が好きで堪らないって。」
雨の中、何度も何度もキスを交わした
「それで、充分だ」
「本当にごめん、なさいっ」
「もう、謝るな」
「痩せてる…テヒョン」
「…ダイエットしたんだよ」
口角を上げた社長が、そのまま私の身体にもたれかかってきた
「はぁ…はぁ」
「テヒョン！テヒョン！？お母さん！」
家の中の母親を大声で呼ぶ
慌てて出てきた母が、力の抜けた社長の姿を見て
急いでタオルを取ってきた
「大変！だから早く開けなさいって言ったでしょう！こんなに冷たくなって！」
「どうしよう、お母さん」
「大丈夫だから早く中に入れなさい！お風呂沸かすからね！お父さんストーブ炊いてー！」
力の入らない社長を、お父さんまで出てきて中に運んでもらう
キツそうに顔を歪める社長を、お父さんのダサいステテコに着替えさせた
ソファに横になった社長は段々と呼吸が落ち着いてきた
タオルで拭いてもまだ濡れてる髪の毛をそっと撫でる
「A……？」
微かに目を開けて私を捉える
「…ん？」
「また、夢か…」
熱で意識が朦朧としているのだろう
「夢じゃ、ないよ」
「夢でもいいんだ…お前に会えるなら」
そう言って、再び目を閉じた
髪を撫でながらポロポロと涙が零れた
この人と離れられるもんか
こんなに愛おしくて
私の事を大事にしてくれる人
この人以外、世界のどこにもいない
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cj - 最高でした！！！ (2021年12月5日 15時) (
レス) @page23 id: 6691782cad (このIDを非表示/違反報告)
ペジュ - もう、最高すぎます！これからも、更新頑張ってください！ (2020年6月2日 23時) (レス) id: c155b7d573 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：かぴ
| 作成日時：2020年5月31日 15時
